2022年 アイルランドの旅 57

寒い、ひたすら寒い。それに朝8時近くになってもまだ暗い。

後、数日でサマータイムも終わるが、こんな時間は日本の真夜中のようになるし、もっと寒くなるだろう。

今頃、日本は秋かな?

そんな中、昨夜は近くのバーでスパニッシュのグループが演奏をする、というので聴きに行った。

夜9時。かなり寒くて少し雨も降っているかな?という天気の中、またしても若い女の子たちが「これから泳ぎに行くんか?」みたいな格好でたむろしている。

一体、身体の造りはどうなっているんだろう。

それはともかく、ただ、バーに入り、ギネスをオーダーして空いているところに座ればいい。別に何も飲まなくてもいいのだが、やっぱりなんか飲みながら聴きたい。

でもこれ、はたしてギネスだろうか。

因みにここでは木曜日にアイリッシュのセッションがあり、僕らもたまにホストを務めている。

飲むだけの客たちと少し離れた小部屋でなかなかいい音楽スポットだ。

今日のバンドは、ギター2人、クラリネットとフルートがそれぞれ1人ずつ。そこに歌と手拍子の男がいる。

驚きなのが、その手拍子だ。パルマというのかな。

カスタネットのような音がしているが、手の中には何も持っていない。それでもやたらといい音がしている。

手の造りが違うんだろうか?練習したらあんな音になるんだろうか?

ギターの人たちもパコ・デ・ルシアなんかを散々聴いて育っているんだろうな。

バンドとしてのレベルもなかなかのものだ。

後ろに立って飲んでいるグループはスペイン語で話している。

たまにはこういう場所でゆっくり飲みながらこういう音楽に浸るのもいいかも知れない。

日本でこういう感じの場所ってあるのかな。

まず、ビールが安い。バンドのチャージも取らない。音楽はかなりレベルが高い。

3~4軒先のバーではアイリッシュのセッション。その先では弾き語り。その先ではカントリー。ブルースも聞こえてくる。

それがほとんど毎日。

フラッと入ってビールを飲みながら、周りにいる連中を観察しながら音楽を楽しむ。

これがまた面白い。

あいつら、どこの国の言葉で話しているんだろう、とか、あいつビン・ディーゼルにそっくり、とか。

みんなそれぞれに楽しんでいる。

そんな人々の笑顔に囲まれていると、戦争なんかが起きていることが本当に馬鹿馬鹿しいことだと改めて思ってしまう。

この小さなバーのように多くの民族が喜びを分かち合える世の中になってほしいものだ。