2022年 アイルランドの旅 58

昨夜は7時頃から急に雨が降り出したかと思ったら、空が急に明るくなった。雷だ。

しばらくの間とてつもない強さの雨と雷。雷は割と早く済んだが、雨は結構勢いが良く2~3時間は続いたようだ。

こんな日に外に出る用事がなくてラッキーだった。

なんか恵那山の夜行登山を想い出す。

しかしめちゃくちゃな事をやらされていたもんだ。初めて稲妻が横に走るのを見た(と思う)

慌てて金属系のものを体から離して雷が遠ざかるのを土砂降りの雨の中で待った(と思う)

あんまり記憶も定かでないけど、とても怖かったのはよく覚えている。

それはまるでブレンダン・べグリーの小舟による大西洋夜行航海に似ている。めちゃくちゃな事をやらされている、という意味では。

さて、一夜明けて今日はものすごくいい天気。

夜にはブライアン・マグラーと、先日出会った静かなバウロンのおじさん(多分僕より全然若い)との4人で演奏がある。

先日、スパニッシュを聴きに行ったバー、天気は持ちそうだ。

ブライアンのバンジョーは流石だ。

静かな場所で、4人だけだったので素晴らしいバンジョープレイがとてもよく聞こえる。

バウロンもとてもいい。

このバウロンのおじさん。すごく大きな声で喋る。体もデカいしそういうもんかな?と思いきや、ジャックは声が小さい。

おじさん(因みに名前はダミアン・クイン)に「デカい声だね」と言ったら面白い答えが返ってきた。

「俺の生まれ育ったところは周りに何にもないところで、隣の家とも何百メートルも離れているから自然と声がデカくなる」

というような事。

ダミアンは酔う前なら比較的わかりやすいが、酔ってくると何を言っているのかさっぱり解らない。

しかし、希花さんはこんな患者の相手をいっぱいしてきたのでだんだん解るようになってきたらしい。

彼のバウロンプレイは実にいい。

あれだけの声を持って、あのデカい体なのに、なぜあんなに静かに叩けるんだろう。

飲みっぷりも流石なもの。

彼と一緒にいると「もう結構です」ときっぱり断らないと嬉しそうな顔をしていくらでもギネスを運んでくる。

その表情はまるで子供のようだ。100kgくらいの子供。

なんとか2パイントで抑えることができたが、これから帰るまでの間にまた彼に会うことになっている。

くわばらくわばら。