ジョージ・ウインストン

ジョージ・ウインストンが亡くなった。

彼の最初のアルバムは1972年のBallads and Bluesというものだったというが、何故かこれ持っていた。

多分、彼の演奏がしょっちゅうラジオで流れていて、近所のセコンドハンドストアーで見つけたのだと思う。

ラジオで流れているものと少し変わった雰囲気で、ほほ~こんなところにルーツがあるんだなぁ、と思った記憶がある。

コンサートも聴きに行った。

場所はサンフランシスコシンフォニーホール。

老若男女、みな正装してばっちり決めていた。僕も一応スーツにネクタイというパリッとした格好で出かけた。

取りあえず、シンフォニーホールなので。

そこで登場したジョージ・ウインストンは、なんとよれよれのシャツに色褪せたジーンズ。

それに今思い出すに裸足だった。

昨日、慌てて友人に(例のお酒の好きな人)ジョージ・ウインストンが…とメールして、僕が観た時、運動靴で出てきました、と、裸足の印象があったのに何故かそう書いてしまったら、早速「裸足じゃなかったでしたっけ」と指摘を受けた。

いや~ありがたいことで、ありゃ、ボケたかな?と思い、昨日の朝ごはんは何を食べたかな?なんて考えてしまった。

フルグラにヨーグルトを入れて豆乳をかけて、コーヒーと…ばっちり覚えている。

って、ほとんど朝はそれ。忘れようがない。

晩はというと、これがピーナツバターバナナサンドイッチ。俗にいうプレスリースペシャル。

実際はこれにカリカリのベーコンを挟むのだが、僕にはそれはなくてもいい。

日本のピーナツバターでは作れない。これが絶妙に美味い。

しかし、こんなものを晩御飯にしている僕はちょっと変わっているかも。

何だっけ?そうそう、ジョージ・ウインストンの話ではないか。

アメリカでは15分に一度くらいは彼の曲が流れていた。

僕も母親があんなに早く亡くならなければ、ずっとピアノを弾いていたんだろうな、と思ったものだ。

とに角、素晴らしく語りかけて来るような演奏に耳を奪われた。

そこへ、シンフォニーホールでのコンサートのお知らせが新聞に出ていたのですぐチケットを手に入れた。

シンフォニーホールには五嶋みどりの演奏も聴きに行ったし、ケニーGも聴きに行った。

ケニーG も当時Songbirdが大流行でやはり15分に一回くらい流れていた。

彼は客席の後ろのドアから演奏しながら出てきた。

ジョージ・ウインストンは一部の最後に客席から数人のお客さんを呼び出し、何をするのかと思ったら、ちょっとスローなブルースからご機嫌なブギウギを弾き出した。

さぁ、踊れ踊れ!とみんなに促して盛り上げた。

やっぱり彼のルーツなのだ。

いろんな音楽を聴いていると、その人のルーツを垣間見るのがとても面白い。

ノラ・ジョーンズがDon’t Know Whyでヒットし始めた頃、多くの人がジャズの要素を語っていたが、僕はカントリーを感じていた。この人、ルーツはカントリーじゃないかな?と思っていた。

まさかラビ・シャンカールの娘だとは思わなかったが。

ジョージ・ウインストンは最もよく耳にしたピアニストだったかもしれない。

1949年12月26日生まれ。僕と4日しか違わない。

またひとり消えてしまった。