近所

いつもウオーキングをしているコースに風変わりな家がある。

アパート然としているが、その玄関には無数の靴が重なり合うように置かれている。

いや、脱ぎ捨てられている。

ある靴は廊下まで、ある靴は外にまで飛び出している。

推定50~60足。

因みに玄関はいつも開いている。暗くなっても、だ。

作りが普通のちょっと大きめの家、といった見かけなので、もしかしたら何かの教室で多くの人が集まっているのかな?と、最初は思っていた。

が、どうやらそこには外国人が一杯住んでいるようだ。

アパートだったわけだ。

そして横の方の軒下にはおよそ4~50着の洗濯ものがいつもかかっている。

勿論、僕も雨の日には通らないが、曇った日でも必ず大量の洗濯ものがぶら下がっている。

あまり人を見かけないのでみんな仕事に行っているのだろう。

数回、インド系の人を見たので、そうか外国人向けのアパートだと分かったわけだ。

どれだけの人数が居るか分からないが、靴の数を見るに15人以上は住んでいるのかな?

同じ国の人かな?

アメリカに居る時、メキシコ人のアパートに行った。

出て来るわ、出て来るわ、7~8人の同居人。2ベッドルームくらいのそれほど大きくない部屋にみんなで住んでいるらしい。

5人くらいが「ホセ」だった。

マイクの所も彼以外は家族のメンバーだったが7人くらいで住んでいたな。

どこもみんな仕事に出掛けるし昼はがら空きになる。

ハリーさんも言っていた「誰か一人が先に来て、仕事をしながらリサーチを重ね、みんなを呼んで、それ!とばかりに仕事に繰り出す」

凄いパワーだな。

この日本でもみんながんばっているんだなぁ。

円安はかなり痛いだろうなぁ。

なんていうことを考えながら、今日も乱雑に脱ぎ捨てられている靴を横目で見ながら歩く。

今度、数を数えてみようかな…て、そんなことをして何になる?

いや、いっそのこと綺麗に揃えておいてあげるか…て、単なる怪しいおじさんだ。