Irish Music その7

Thomas’ Farewell/As the Sun Was Setting(Waltz set)

★Thomas’ Farewell

“読み人知らずだが、トラディショナルではない。美しいメロディを持ったワルツだが、あまり有名な曲ではない。キルフェノラ・ケイリ・バンドのレコーディングだけが唯一残されているというが、ティプシー・ハウスでは随分昔からやっていた。AパートとBパートのテキスチャーの違いはギタリストにとっても非常におもしろい曲だ”

 

★As the Sun Was Setting

“John Kirkpatrick作曲とされる美しいマイナー調の、どこかウエスタン風の曲だ。僕はデイル・ラスから習った” どこか日本人好みのメロディは、Aパートのウエスタン風からBパートの日本調ともいえる半音階の下がり方が印象的だからだろう”

 

 

Gold Ring(Jig)

★Gold Ring

“この曲には3つのバージョンがある。いや、それ以上かもしれない。パート数もいろいろだ。僕らは7パートでやっている。しかも、僕は勝手にパイプ・バージョン、フィドル・バージョン、そしてD Gold Ringと呼んでいるがDのもの以外はどちらもパイプで有名かもしれない。Seamus Ennis,Willie Clancy などで知られているので、やはりパイプ・チューンと言えるだろう。僕はDale Russと録音したことがあるが、これはThe Boys of the Loughのバージョンで、あまり知られていないものだ。整理するとKey of Gがふたつ、Key of Dがひとつ。ただ、Gの方のDaleと録音したものはKey of GだがDコードから始まる。Gold Ringを演奏するのならこの3つとも覚えておきたい。かわいそうな希花である。伴奏に於いても、7つもパートがあると、そのすべてのパートの音の動きを正確に把握する必要がある。それでないと単調な面白くない曲に聴こえてしまう可能性がある。因みにThe Broken Gold Ringという曲もあるが、これはDのバージョンの最初の2パートだけを演奏されるものだ。最後に面白い話をひとつ。Seamus Ennis曰く、この曲はアイルランドの妖精によって書かれた曲、らしい”