Irish Music その19

Jug of Punch/Eddy Kelly’s (reel)

★  Jug of Punch

“この曲はかなり前にDale Russと演奏していたものだが、後年になって、John Williamsの素晴らしいアコーディオンプレイで聴いて以来、ずっと演奏している。もっとも彼はEmでやっていたが、オリジナル・キーはDmのようだ”

 

★  Eddy Kelly’s

“前の曲とのセットとして演奏する人が多い。EddyはCo.Roscommonのフィドラーで、この曲を1966年頃に10分ほどで書きあげた、という話だ。普通のリールテンポより少し遅いくらいのスピードが良い、という人もいっぱいいる。実際に美しいメロディを持った曲だし、それも確かなことだ。最初のころの録音物ではシングルで演奏されているのもそんな理由かもしれない”

 

Galtee Hunt/Stolen Apple (Set Dance/Waltz)

★  Galtee Hunt

“Clannadの演奏でかなり前に覚えた曲。ちょっと変わった拍数で覚えにくい曲である。

でも、なんとも言えない、初めはなんとなくダサいと思える曲でも、やりはじめるとくせになるような曲がたまにあるが、これもそのひとつかもしれない”

 

★  Stolen Apple

“Lunasaがやって有名になった曲。Slip Jigだという人もいるが、ワルツとして考えたほうが分かりやすいかもしれない。Grey Larsonによって書かれた可愛らしい曲。彼とはアメリカで一緒に演奏したことがあるが、セッションにヒョコっと現れて、「Hi, I’m Grey」

と言ったので「Hi, I’m Red, and This is Green」なんて言ってしまった。まさかGrey Larsonだとは思わずに。とてもいいフルート奏者兼コンサルティーナ奏者だ“

 

The Stage/The Messenger (Hornpipe)

★  The Stage

“僕自身はJames KellyやPaddy Glackinの演奏で覚えた曲。聴いたところ、かなり難しそうだが、希花がいい感じで弾いてくれる。日本ではあまり聴くことが無い曲だ”

 

★  The Messenger

“この曲はシアトルに住むJoel Bernsteinによって書かれた美しいものだ。Joelはシアトルに行くと、必ず一緒に演奏した仲だ。バンジョー、フィドル、コンサルティーナ、そして彼の代名詞でもあるハーモニカを全部自転車に積んでシアトル中を走り回ってセッションに出かける。そう、彼の昼間の仕事はバイク・メッセンジャーなのだ”

 

Jackson’s/Come West Along the Road (Reel)

★  Jackson’s

“Frankie Gavinの演奏で覚えた曲だが、本当にこのタイトルかどうかがわからない。しかも、2曲のメドレーであるが、ただJackson’sとしかクレジットされていない。しかし、フィドラーにとってはやりがいのある曲だと思う。

 

★  Come West Along the Road

“Gで演奏されることが多いようだが、僕らはAでやっている。Martin Hayesの演奏でもよく知られるポピュラーな曲”

 

Young Tom Ennis/Langston’s Pony (Jig)

★  Young Tom Ennis

“これは非常に変わったタイトルを持つ曲だ。このタイトルで知ったのはTony MacMahonの演奏からだが、本来はThe Banshee’s Wail Over the Mangle Pitという。Martin Hayesも不思議に思ってPaddy O’Brienに、一体このタイトルはどこから出てきたものかを尋ねたことがあるらしい。しかし、詳しい事はわからない。一説によると本来The Banshee’s wailらしいがPaddy O’Brienが後からOver the Mangle Pitを付け加えたようだ。どちらにせよ、多くの人にはYoung Tom Ennisのほうが簡単かもしれない”

 

★  Langston’s Pony

“古くはThe Moving Heartsの演奏で聴いた覚えがある。Moon Coin Jig という曲と、ある意味酷似しているので、メロディ楽器は大変だ。そういう意味でも伴奏者が曲を知らなければいけないことになる。同じような伴奏をしていたら惑わされてしまうだろうし、曲にも変化が出なくなる。こういう曲のひとつひとつの音にしっかり即した伴奏をすることが僕の信条だ”