2013年 アイルランドの旅 まだまだゴルウェイ

8月7日 晴れ

妹のクリーナの友人がふたりほど泊まっている。コーマックはコンサルティーナ講師として、昨夜一足先にフィークルに向かった。

2日ほど前から考えていたことだが、今日が水曜日、一日おいて金曜日にJohn Cartyのコンサートが同じ教会である。アンドリューとのギグが日曜だし、それまでに行けばいいだろう。唯、それにはホステルをキャンセルせねばならない。

しかし、この時期フィークルには沢山の人が行くので、ホステルも引く手あまた状態だろうし、そんなに問題はないだろう。

そんなことを考えながら顔を洗い、歯を磨いているとみんながおきてきたようだ。ふとみると、僕は個人的にはあまり知らないが、希花がよく話していたアンドレアという若者が布団の中で携帯を見ていた。

確か、3年前にフィークルで会った時にはまだ子供という感じだったが、わずか3年くらいで、もう立派な青年だ。いちばん変わる時期だろう。

マーティン・ヘイズ命、というようにマーティンそっくりに弾く少年だった。しばらく話していると希花も起きてきた。

そして…やっぱり誰だか分かっていないようだ。「アンドレアだってさ」というと「えっ、こんなに小さかったのに」と言って驚いた様子で腰のところに目安を置いた。

そんなわけはないが、それくらいにまだ子供というイメージだったのだ。彼女にとっては弟と変わりないくらいの年齢の男の子で、そんな感じがするのだろう。

しばし一緒に弾いたり、話しをしたりして時間を過ごした。

そして、今晩の教会でのコンサートの計画を練るために、ぼくらはまたMacに向かった。いや、それだけではない。

Wi-Fiをつないで、フィークルの宿をキャンセルせねばならない。悪いなぁと思いながら、明日から2日間だけのキャンセルを申し出ると、なんの問題も無くオーケーの返事が出た。        去年と同じ、そう、ぼくらの横で、オーダーしたものと同じ食事を2匹の犬が美味しそうに食べていたところだ。

犬もきっと「美味しいなぁ、彼らにもこの味が、この喜びが分かるかなぁ」と僕等をみていたに違いない。

さて、コンサートの時間だ。驚いたことに結構人が入ってきた。教会はすごく大きいが、コンサートをやるスペースは80人くらいがいいところだろう。それでもすでに60人は超えているようだ。

みたことのある男が入ってきた。そのむかしアンドリューのバンドでギターを弾いていたKevin Hughだ。見るからに、とてもいい人、という感じのおじさんで(といっても、ぼくよりかなり年下だろう)よく色々なことを話したものだ。

お互い15年ぶりくらいなので、再会を楽しんだ。もっとも彼はこの近くに住んでいて、僕の名前をみて来てくれたようだった。

僕らがファーストセットを担当。25分ほどで、美しいエアーあり、日本民謡あり、典型的なトラッドありで、やんやの喝采を浴びた。

休憩の間は、クリスというこのコンサートの世話係の人がみんなを連れて教会の歴史や、展示物などを見せるミニツアーを行う。

そしていよいよセカンド・セット。メアリー・バーガンとリンゴの登場だ。ティン・ホイスルとバウロンという組み合わせ。もちろんここは常にノー・マイクロフォンだ。

リンゴのバウロンは素晴らしい。彼が言うようにバウロン奏者は常に影の功労者でなければならない。それが本当によくわかるプレイだ。

メアリーのティン・ホイスルもさすがなものだ。コンサートは大盛況のもとに、最後は僕等4人でクリーナのダンスのバックを演奏。そして、無事終了。

リンゴもメアリーも僕等の演奏を、超一流のミュージックであり、本物のトラッド・アイリッシュだ、と評価してくれた。

とてもいい一日だった。