Irish Music その83

Pockets of Gold     Air

  • Pockets of Gold

“最近、ひょんなことからこの曲を録音した日本の演奏家のCDを見つけた。そこにはReeltimeというグループの録音から覚えたTradとしてクレジットされていた。僕自身、随分前にこれを録音したことがある。元々、Liz Carrollの1993年のアルバムで、ギタリストのDaithi Sproule(ダヒ・スプロール)が書いたTune For Mairead & Anna Ni Mhaonaigjhという長い、しかも読むのにも難しいタイトルだ。どういういきさつでReeltimePockets of Goldとしたのかはわからない。確かライナーにも書いていなかったと記憶している。1995年のリリースである。僕は当時カセット・テープで持っていた。因みにLiz Carrollの、このアルバムもカセットで購入したものだった。僕はReeltimeの付けたこのタイトルをあまり好まなかったが、なにせ元のままじゃぁ長ったらしくて言えないので、必ず本来は違うタイトルを持った曲ですよ、ということと、作者の名前を言うようにしている。この音楽ではとても大切なことだと思う。でないと、聴いた人は間違った情報を得てしまうからだ。Daithiは最も好きなギタリストの一人だし、彼に対する敬意としてもTrad、とクレジットして欲しくなかったのだが…”

 

Whelan’s Old Sow/Katie’s Fancy    Jig

  • Whelan’s Old Sow

“1930年代、Tommy Whelanによって書かれた曲。とても変わった曲だが、なかなかいい。Rolling Waves 別名 Lonesome Jigともいう曲と、出だしは酷似しているが、なんとも変わったBパートをもっている。因みにSowというのは雌ブタのことである。しかし、何故かCat’s Rambleという別名もある”

 

  • Katie’s Fancy

“この2曲をつなげるやり方は随分前に考案したものだが、だれかがやっていて耳にのこっていたのかもしれない。前の曲の最後の小節を強引に次の曲に挿入していく面白いアレンジでやっている。去年、ショーン・ギャビン(フランキーの兄)に誘われてセッションに行ったとき、彼がいちばん最初にこの曲を弾いていたことを想い出した。3パートの名曲中の名曲だと思う”