7月14日。京都では祇園祭が始まろうとしているのかな。蒸し暑い円山音楽堂が懐かしい。
ここ、カーローは快晴。気温は少し高めの22℃。
朝から芝刈り機を動かして、裏庭の大掃除をして大忙し。
なかなか日本では考えられないくらいの広さがあるので、これを一人でやっていたら大変だろう。
そう考えると少しはヘルプになるかな。「田舎に泊まろう」みたいなものだ。
しかし、今日はキアラン君のグループ「パイパーズ・ユニオン」のコンサートがキルケニーである。
なのでキアラン君、考えなくてはいけない事、やらなくてはいけない事が頭の中をぐるぐるしているようだ。
メンバーはキアラン君のフルート、イーリアン・パイプス、他にデビッド・パワーがイーリアン・パイプスやホイッスル、ちょっとマンドリン、それからドーナル・クランシーがギター、ブズーキ、ボーカルだ。
ドーナルは僕が4年前のコラムで「アイリッシュミュージックに於けるギタープレイの真髄」という項目を書いたときに影響を受けたギタリストとして名を挙げている人物だ。
先日タバカリーで、ある若者が「君のギターはドーナル・クランシーを思い浮かべるプレイだな」と言っていた。
「会ったことないけど明後日、初めて会うことになっている」と答えたが、この時に彼の名前が出るとは。とても不思議な感じがした。
さて、コンサートが始まる少し前からお決まりの雨。あれだけいい天気だったのに、と思うが誰も気にしていないようだ。
会場はキルケニーでも1、2を争うホテルの中にあるすばらしい作りの、日本で言えばライブ・ラウンジといったところだろうか。
ぼくらは受付を手伝った。最後のほうにゲスト出演も頼まれている。
日本とはシステムも違うし、みんな考えているようでぜんぜん“あちゃらか”だし、金の絡んだことなのでもうちょっときちんとできないのかなぁと、ついついぼやいてしまうが、なかなか面白い経験だ。
そういえば最近の(僕らが知らなかっただけかもしれないが)アイルランドではお釣りは四捨五入だと聞いた。なので、多くもらえたり少なかったりすることがある。
これはもちろんスーパーのレジなどでの小銭の話だが。そんなところもとてもアバウトな国だ。
コンサートは、三人が歌もコーラスも演奏も、それぞれの持ち味を生かして、なかなかアレンジも決まっていた。
いい組み合わせだ。イーリアン・パイプスを二つ使うというのもあまり無いことで面白い。ドーナルのギタープレイも思った通り素晴らしい。歌も親父さんゆずりでとても良かった。
最後に3曲、バンジョーとフィドルでゲスト出演して締めくくり。
終了したのがほぼ11時。始まりは8:30となっていたが、ここも例によって9:00。お客さんはここでも結構飲んでいるが、またこれからパブにでも行くのだろう。
今日のところはデビッドとドーナルとは別れ、静かな家に戻って、アメリカのユタ州から来ているマークというパイパーと1時間ほどビールやブランデーを飲んで語らいの時を過ごした。