2016年 アイルランドの旅 11

キアラン君、無事ブリタニーに着いたらしく、ワインで乾杯の写真をフェイスブックで確認することができた。

最も、その前からワクワクメールがフェリーを降りた直後くらいから数回送られてきていたが。

彼はこのところブリタニーの音楽を盛んに取り入れているので、どうしてもその音楽が生まれた背景を肌で感じたいのだろう。

テントを持って行ったり、自転車を持って行ったりワクワクしているのはそんな気持ちの表れなんだろう。

40歳手前、これからもいい音楽をたくさん演奏していくことだろう。そういえば、12月に一ヶ月くらい日本にやってくるのだ。

みなさん、よろしくお願いします。

さて、昨日、彼の友人のバンジョー弾きであるジョンが突然やってきて、なんととても新鮮な鮭と鱒を持ってきてくれた。

「君たち日本の人は魚が好きだろう?」といって結構大きいピースを僕に渡して、にこにこして帰って行った。

ジョンはテナー・バンジョーを弾く。プロのミュージシャンではないし、決してすごい腕ではないし、曲も多くは知らないが、なんともいい音を奏でる。

真面目に楽曲に取り組んでいるのがよく分かる。

先日、キアラン君がワクワク大忙しのときになぜかジョンひとりがキッチンでバンジョーを練習していた。

彼もすごく忙しかったらしい。例のお葬式があった日だ。やっと落ち着いて少し気も紛らわしかったのだろう。

僕も2階にいたのだが、ご機嫌なEileen Curranが聞こえてきたのでギターを持ってキッチンに降りた。

見るとワインを嗜みながら老眼鏡をかけて自分の作ったノートとにらめっこしている。

僕を見ると嬉しそうに「ワイン飲むか」とグラスを用意する。

僕もご相伴にあずかりながら「Eileen Curranいい曲だね。今はAmでやっていたけど多くの人はGmで演奏するよ」「へぇ、そうなんだ。でもGmは僕には難しいなぁ」なんていう会話をしながら次から次へと嬉しそうにいいペースで弾いている。「伴奏がいいと、こんなに弾きやすいもんなんだ。ワクワク」

こちらもワクワクおじさん。おっとキアラン君はまだお兄さんかな。ジョンは56歳。彼もキアラン君が日本にいる間に一週間ほど日本を訪れたいと言っているが、こんなに何もないところから、東京なんか行って大丈夫だろうか。

そんなジョンが持ってきてくれた鮭をまず、こんがり焼いて鮭茶漬けにしていただいた。

日本人にしか分からない至福のひと時かもしれない。明日は鱒をムニエルにでもしようかな。