2017年 アイルランドの旅 8

8 11日(金)晴 8時頃起きて外を見ると、どんよりとしているが雨は降りそうにない。

目一杯のおもてなし朝食をいただいた後、Eoinのパイプ工房を見学。京都でいうなら平安神宮くらいの土地の広さがある緑に囲まれた家の中にある

工房は、もう町工場並み、弦楽器の工房とは全然違うものだ。

10匹ほどの羊が餌をもらいにやって来た。人懐っこい犬もいる。定番のコーヒーとビスケットをいただいてしばし昔話を含め、いろんな話に興じて家に戻り、

いよいよCastle Islandに向かう。

途中、Sliabh Luachraの音楽の聖地見学に連れて行ってくれた。

音楽しか娯楽がなかった時代の、それも人里離れたこの環境の中で生まれ、人々に伝承されて来たものをじっくりと見せてもらったわけだ。

これを見てしまったら、やれバンドだ、やれライブだなんて軽く言えるものではない。もっとも、アイルランドにはそういう所がいっぱいあるし、

Mattのように伝統をしっかり受け継ぐ人も沢山いるはずだ。

Castle IslandではJackie Dalyが待っていた。彼とは今回が初めてだ。

今晩はShoe Makerというパブでセッションがある。考えたらここはもうKerry、地元の人たちも参加してのセッションはやっぱりポルカやスライドが

多く出る。まだ小学生くらいの女の子が絶妙なコンサーティナとティンホイッスルを聴かせてくれた。

パブに飾る絵の除幕式の後に再び始まったセッションは2時まで続き、ジャッキーはすっかり寝てしまっている。みんなが楽器をしまいかけると、急に

起きてまた弾き始める。中でも、彼の作曲したFly Fishingという曲は圧巻だった。僕らがよく知っているとは思わなかったのだろう。

この曲を聴いたのは、クレアからのたった一つのレコーディングだった。あまり知られていないが名曲だ。

ついでにアルバムEaves DropperからBlackbirdも,Buttons and BowsからBluemont Waltzも一緒に演奏してもらった。

やり出したら止まらないが、そろそろ2時半も回る。

今日はMattの友人の家に泊まる。この辺の大きな音楽イベントを手がけている人だ。

またまたワインでしばし歓談。結局3時半頃就寝。朝方、起きてトイレに行くと、リビングのソファーでJackieが座ったまま寝ている。

電気も点いたままだったので、そろそろ明るくなっていたし、そっとスイッチを切っておいた。