2018年アイルランドの旅 29 コーク

830日(木)曇り。今日はお昼過ぎのバスでコークに向かう。天気も良くなって来て、コークには時間通りに着いた。着いたと同時にマットを発見。元気そうにシャキシャキ動いている。この人A型じゃないかな。これからの予定を事細かに説明してくれる。

今日はとりあえず、6時からのセッションで僕が昔から知っているパイパーのオーインが手ぐすね引いて待っているらしいのでそれに行くことになっている。

その前にマットの家でお茶を飲む。

パブに行くと去年会った凄腕のフィドラー、ジョニーもいて歓迎してくれた。

いざセッションが始まると、やはり質の高い演奏で、しかもトラッドで、限りなく良い感じだ。2時間があっという間だ。

気分良くマットの家に戻って、ゆっくり晩御飯。ワインをいただきながら奥さんのリズが用意してくれた料理を楽しんで、今日は11時頃にベッドに入ることにした。

また明日が楽しみだ。

831日(金)雨。珍しく一日中雨になりそう。昼からマットとチューンをいっぱい弾く。

今日は午後から一緒にRockchapel というところに住むFlannery Sistersを訪ねる。

去年、ジャッキー・デイリーとのセッションで一緒に演奏してから、是非きて欲しいと言われていた家だ。

その前にパイパーのEoin ORiabhaigh(オーイン)の家に行った。前回も寄ってたくさんの羊を見せてもらったが、今回もみんな近寄ってきた。

大きな川が見下ろせる小高い丘の上にある、周りには人っ子一人いないところでイーリアン・パイプスを作っている。

彼は他のパイパーと違って、結構普通の人っぽい。大体パイパーには変わり者が多いのだが。

しばしお茶をいただいて話をして再会を約束して別れた。

そして、いよいよ姉の方がフィドル、妹がコンサーティナとホイッスルのチャンピオン姉妹の待つFlannery家に向かった。

オーインのところから2時間くらい。ほとんどトニー・オコンネルの家の近所だ。

トニーが先日ドライブしながらここがFlanneryの家だぞ、って言っていたのだが、本当に彼らの家からもあの木立の向こうがトニーの家、という感じで見えていた。

ここの姉妹とマットとのセッション。その前に夕食。

姉妹のおじいちゃん、おばあちゃんも聴きにやってきてみんなで賑やかに食事。またお腹いっぱいになる。

いよいよセッションだが、この姉妹、実に上手い。そりゃ当たり前だが、実に上手い。そしてそれだけではない。実に音楽としてのツボを得ているし、いい演奏をする。

この子達の演奏を聴いていると、日本でアイリッシュ・ミュージックをやっていますなんて、ちゃんちゃら可笑しいやら、何かがかけているような、何かが間違っているような気がしてきた。

ましてや軽い気持ちでコンペティションに参加しようなんて、根本的に間違っている。

この子達は幼い頃から様々な人の残してきた録音に耳を傾け、限りなく多くの曲を学んで、互いの音を聴き合いながら経験を積み重ねているのが良くわかる。

本来コンペティションなんていうものはこういう子達のためにあるものだ。

まだ17歳と14歳の姉妹。ごく自然にこの音楽を演奏する二人を両親、祖母、祖父が温かく見守っている。

緑に囲まれた家に音楽が響き渡る。これ以上のものはないだろう。