9月8日(土)ブルージュ。昨夜遅く、ギュートの家に着き、しこたまのワインとチーズやパンで2時過ぎまで(因みに1時間こちらの方が先を行っている)語らったので朝早い目覚めは無理だった。9時半頃かな。ほとんど2日酔い状態で、体の節々が痛いままコーヒーをいただき、飼っている鶏の産み落とした卵で目玉焼きをいただいた。
ハウスコンサートは今晩8時半からなのでそれまでは観光に連れて行ってくれるという。
日本人にも人気のスポットらしく、さすがにおとぎの国とも言える街並みが美しい。そしてその街を囲む緑の豊富さ。
石畳の道を歩いて歩いて歩き回って、お昼ご飯を気持ちのいいレストランでいただき、チョコレート屋さんやレース屋さんを見て、4時間ほどギュートの案内で市内観光。天気も素晴らしく良くて、気持ちのいいお昼時だ。
またまたキアラン君が色々笑かせてくれた。
家に戻ってギュートの手作りシーフードスープが絶品で、ワインとちょっぴり変わったスイカとフェタチーズのサラダ。どうやらユダヤ料理らしいが、そういうものをまたお腹いっぱいいただき、いよいよハウスコンサート。
最初は少し上がり気味だったキアラン君も途中でビールをいただくと、だんだん乗って来た。
僕はジャンゴスタイルのマカフェリタイプのギターを初めて弾いた。
サスティンがとても効いているが、音がカリンカリンでさすがにジャンゴみたいな音がした。もうちょっと深い音が出ると結構いいかも。もしかしたら高級モデルはもっと深い音がするのかも。
コンサートの間もお客さんの間で次から次とビールやワインが空いていく。やっぱりヨーロッパだな。そしてベルギーだな。
チョコレートの美味しさも格別だ。
コンサートが終えてもしばしみんなでワインを飲んでまたまた語らう。が、疲れたので1時頃には寝てしまった。
ベッドルームの窓からまだ走っている電車が見える。
9月9日(日)晴れ。アイルランドに戻る前に再び観光の予定。その前にコーヒーとクロワッサンをいただくが、これがすごく美味しいし、大きい。日本だったら一つ800円くらいしそうなクロワッサンがゴロゴロとバスケットに無造作に入っていて、丸くて大きなパンも一緒に入っている。
コーヒーとパンでお腹がいっぱい。どれも極上な味だったのに、お昼はどこそこで食べよう、なんていう相談を持ちかけてくる。
彼ら外国のミュージシャンたちの元気の源は飲むことと食べることに起因していると思わざるを得ない。
この日ブルージュは27℃という暑さ。でも、日陰は涼しくて観光にはもってこいの日和となった。
風車の写真を撮ったり、美術館に立ち寄ったり、そしてパティオでお昼ご飯をいただいて、定番のビールやワインを頂いて、ギュートが空港まで送ってくれた。2時間もかかるのに。
そして再会を約束して飛行機に乗り込んだ。ここからダブリンまでは1時間とちょっと。
たくさん面倒を見てくれたギュートと彼を紹介してくれたキアラン君に感謝。
ダブリン空港に着いて駐車場に来たらうさぎが数匹遊んでいた。もうすぐ暗くなる。
9月10日(月)曇り。朝、8時40分の電車でリムリックに向かう。ここからはいろんな行き方があるが、比較的早く行ける便だと、キルデアとポート・リイシュとリムリック・ジャンクションで乗り換えてやっとリムリックに着く。
全行程3時間ほどの比較的楽な旅ではある。
リムリック大学でデビッドと会って、ちょっとリハーサルをして本番。彼はクラシックが専門でリコーダーなども吹くが、ティン・ホイスルやローホイスルの腕前もかなりのものがある。
約45分の彼の持ち時間の中で僕らは10分ほど彼に付き合って、他にも彼の友人たちがサポートして無事ファイナルパフォーマンスが終えた。
それから街に戻って、今度はトニー・オコンネルに会う。
ちょうど彼が用事でリムリックに来ているということなので、会おうと言ったら2つ返事で是非一緒に弾こう、と言ってくれたのだ。
僕らが宿泊しているホテルの1階に静かなパブ兼レストランがあったので、フロントで「ちょっと弾かせてもらっていい?」と訊くと「もちろん」という返事が返って来た。日本だったら確実に断られる。
バーテンダーにも一応尋ねたらやっぱり「もちろん」という返事が返って来たので、「じゃぁ、ギネスを。いくら?」と訊いたら「構わないから持っていけ」という。日本だったらありえないことだ。
そして演奏していると「もう無いだろ?もう1杯いけ」と勧めてくれる。飲み物に関してはやっぱり太っ腹のアイリッシュだ。
1時間ほど演奏とギネスを楽しんで、トニーが、リムリックで一番古くから演奏する場をミュージシャンに与えているパブ「ナンシー・ブレイク」という所に連れて行ってくれるというのでついて行ったら、街はセメスターが終了した大学生たちで大混乱。
みんなすごくお洒落をして飲み回っている。女の子が「トニー・オコンネル!」と叫んでいた。きっと大学でトラッドを専攻している子なんだろう。
ナンシー・ブレイクでは驚いたことに先日フィークルで出会ったフランス人のパイパー、マックスがセッションに混じっていた。
僕らは時間も遅かったし少しセッションを見て、ギネスを飲んでトニーと別れた。彼はこれから1時間ほどかけて帰らなくてはならない。
しかし、いいプレイヤーだ。どこを取っても音選びのセンスがいい上に、かなりのテクニックで聴かせてくれるし、スローな曲での強弱や音選びが抜群だ。
そんなトニーに感謝。デビッドにも僕らをリムリックに呼んでくれて感謝だ。
9月11日(火)曇り。お昼前の電車でバグナルスタウンに向かう。比較的楽な旅だが、どうもよくわからないことが2~3ある。
まず、切符のことだが、車掌が二人、前からと後ろから検札をしにくる。切符を用意して待っていると、隣のにいちゃんのところで少し手こずっている。やがて二人でなんか相談しているうちにそのままどこかへ行ってしまった。
1 ランダムにやってみたほうが効果がある。
2 ただ単に気まぐれ。
3 鳥と一緒で3歩歩いたら自分のしていることを忘れてしまう。
この3つのうちのどれだろうか。
もう一つ。
座席のことだが、ネット予約をすると一応チケット上に指定席の表示がされる。それは自由席と同じ値段なのだ。そして、指定されたところに行くと確かに電光掲示板のところに名前が表示されている。
しかし誰かが座っている。この時、若い子だったら「ここ俺たち」と言えるが年寄りだとなかなか「どいて」とは言えない。
仕方がないので空いてる席を探すが、もしいっぱいだったらどいてもらうしかない。それか我慢するか。値段が一緒、というところが”ミソ”なのか。
1 ただ単に気にしていない。
2 このシステムを知らない。
3 このシステムを知っていて無視する。
この3つのうちのどれだろうか。
やがて無事バグナルスタウンに着いてキアラン君と待ち合わせて猫たちとも再会。
今夜はゆっくり過ごす。
9月11日、あれから17年かな。