2018年アイルランドの旅 32 あと5日ほど

912日(水)晴れ。猫が嬉しそうに走り回っている。外に出してあげようかと思うのだが、寒いせいか、夕べ降った雨で地面が濡れているせいか、すぐ戻ってくる。

そうなると、そろそろ行動も派手になって来ていろんなものを引っ張り出したり落としたりするので見張っていないといけない。

先日はコーヒーのフレンチプレスを落として割ったし、バターの入れ物を落として割った。

抱えて「めっ!」と言っても何食わん面構えであっち向いたまま顔についたバターをぺろぺろなめている。床に下ろすと一目散に落としたバターの残りを舐めに行く。こりゃダメだ。

あと5日ほどで僕らは帰るが、そのあとキアラン君だけで大丈夫だろうか。

今日はずっと寒いので家の中でウロウロしている。炬燵はないので丸くなっていないが。

朝、ジョンが蟹の足をいっぱい持って来てくれたのでお昼は蟹チャーハンにした。

夜はミッシェルがミック・マックォリーのセッションに一緒に行こうと誘ってくれたので、キルケニーまで出かけて行った。

ミックはソラスのアコーディオン奏者としても有名で、兄弟のアンソニー(フィドル)とのコンビネーションが素晴らしい。歌も抜群だ。

素晴らしく質の高いセッションだった。こういうセッションに出会うことはなかなか難しいが、これこそがこのアイルランドで経験できるものである。ただ、そうでない場合も時としてこのアイルランドでさえも有りうるので、それを見極める力も必要になってくる。

2時間ほど一緒に演奏して、終わってから懐かしい名前が出た。

エイダン・ブレナンという、僕がサンフランシスコ時代から知っているシンガーだ。彼がここ、キルケニーに住んでいてすぐそこでギグをやっているはずだから会いに行こうという話になった。元々オレゴンに住んでいた奴だったかな。

ミックが「ジュンジが来ているって言ったら、どうしても会いたいから連れて来てくれって言われてるんだ」とニコニコして言ってくれる。なのでこちらも楽器を片付けて駐車場に行くと、ちょうど彼も終わったところで20数年ぶりの再会を果たした。

真っ黒だった髪の毛も随分白くなっていたが、向こうもそう思っただろうか。

彼は盛んに「ミュージシャンの絆は永遠だ」と言って、何度も何度もハグをしてくれた。

素晴らしい再会を果たすことができて、ミッシェルやミックに本当に感謝だ。

913日(木)晴れ。書き忘れたが、ノエルと会う計画を変更してバグナルスタウンに帰って来たので、少し時間的には余裕ができたようだ。帰りの電車の中、彼とも電話で話ができたし。

さて、昨夜のキアラン君の食事はレフトオーバーの蟹チャーハンだったが「なんか魚みたいなもの入れた?」という。身を細かくほぐしてチャーハンにしたらわからないだろうと、魚嫌いのキアラン君を甘く見ていたら、やっぱりわかるんだなぁと感心してしまった。

案の定半分ほど残っていたので今朝、僕が食べた。

7時頃起きて、猫のトイレを綺麗にして、部屋に掃除機をかけて、キアラン君の洗濯物を干して、台所の洗い物をして、その間に曲調べをしていたら現在9時半、やっぱりお腹が空くものだ。

外は限りなく青空が広がっているが、日陰はうんと寒い。10に到達していないんではないだろうか。

明日からはキアラン君が生徒さんたちを連れてディングルに行くので、顔を合わせるのは今日で最後。

晩御飯を外で食べようという話で、おきまりのロード・バグナル(ホテル)のレストランに行く予定にしている。

キアラン君が仕事から帰って来て予定通り食事を済ませて、キアラン君は朝が早いので、今日は早く寝る、と言っていたところにジョンがやって来た。

また長々と話して4回くらい立ち上がってはまた話し込む二人。キアラン君も引き止めてさらに新しい話題を提供するので結局1時間半ほどが過ぎてしまう。

なかなか面白い秋の夜長だ。

914日(金)曇り。ひたすら寒い。今日のハイライトはカーロウの町のすぐ近くにあるBrownshill Dolmenという石の建造物見学。

数ある石を積み上げた遺跡の中でも最大級の重さ(150トンほど)という、畑のど真ん中、ほとんど来る人がいない素晴らしく広いところにポツンと佇んでいる起源前40003000年の建造物。

一体、人間の力でどうして積んだんだろう。驚きである。

呆然と眺めていたら一人の男の人がやって来て「ここに来たかったんだ。今までに色々見て来たけどこりゃすげー。ぶったまげた」と言っていた。アイルランド人であるが彼にとっても感動ものだったらしい。

僕らも普段観光などしないのでこんな近くにこんなところがあるのは知らなかった。でも確かに何もない。ただ畑の真ん中にポツンと誰がどうやって積み上げたかわからない巨大な石がある。それだけ。柵もない。

この自由気ままさがなんとも言えない。日本のように地震があったら一巻の終わりだ。

連れて行ってくれたれいこさんに感謝。

915日(土)曇りのち晴れ。いよいよ本格的にパッキングを始める。

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