2019年 アイルランドの旅 10 コーク

8月20日   (火)曇りのち雨のち晴れ。気温11℃

明日からまたコーク。マット・クラニッチのところに出かける。

2014年に初めて彼の家に行き、貴重な資料の数々を聴かせていただいてからもう5年。また様々な人に会わせてくれるらしい。

なので、又してもお泊まりセットの準備にてんてこ舞い。

8月21日   (水)曇り。現在14℃で少し降りそうな感じ。

毎朝、猫たちはどこに行っているのか姿が見えないが、それぞれにフラっと戻ってくる。オスの方はこの上なく汚くなって帰って来て、腹が減った、と言わんばかりにニャーニャー叫ぶ。メスの方はそこまででもないが何故か部屋の中を走り回る。

ところ変わってマット・クラニッチの家。スリッパーと言う名の猫が出迎えてくれる。彼は長年のパートナーであるチャーリーを失ったばかりで寂しそうにしている。僕らにも一生懸命擦り寄ってくる。なんと言うか、猫も人の子みたいな感じだ。

8月22日    (木)曇り。

コーヒーをいただいて、少しだけシリアルもいただいて、マットがお医者さんのところへ定期検診に出かけて帰ってくるのを待って、

僕とマットはウォーキングに。2018年の9月1日に一緒に歩いた公園だ。帰りにコーヒーショップへ寄って、サンドウィッチとコーヒーをいただく。希花さんは奥さんのリズとどこかへ出かけている。

思えば、2014年9月5日の金曜日にここを初めて訪ねて以来、毎年、と言うわけにはいかないが、必ず連絡を取り合って来れるような時にはいつでも来てお世話になりっぱなしだ。

夜、6時からのコーナー・ハウスでのセッションに出かけたが、見たような顔がコンサーティナを持って現れた。Niall Vallelyだ。聞いたところによると弟のCillianも1週間前に来ていたらしい。彼とは親しかったので会いたかったなぁと思うが、とりあえず挨拶をする。

ほんのちょっぴりサンフランシスコであったことを覚えてくれていたようだ。今はコークに住んでいて、弟は彼を訪ねてやって来ていたそうだ。他にもNYからのバンジョー弾きが来ていたが、彼は僕のことをミック・モロニーと大学で演奏した時に見たと言っていた。

世の中狭いもんだ。

相変わらずパイパーのオーイン・オリービーとフィドルのジョニー、それに今日はエイダン・コフィーも加わってすっ飛ばす。

非常にしっかりしたトラッドの価値あるセッションだ。

戻ってからまたまた絶品料理をいただいて軽くワインを飲んで今日は早く寝ることにした。

8月23日   (金)晴れ。

今日はコーク市内に出かける。観光メインだが、その前に少しチューンを弾いて。

コーク市内ではこちらでバイオリンの修理などを手がけている、アコーディオン弾きの「はるあき君」の工房を訪ねる。

途中でカフェに寄って甘いものとコーヒーでひと時を過ごすが、僕のオーダーしたエクレアは日本のサイズの5倍ほどの密度だ。これでもかと思うくらいのクリームが挟まっている。希花のメレンゲにも思い切りクリームが乗っかっている。これで十分ディナーサイズだ。それに大きなサイズのコーヒー。そりゃみんな大きくなる。今更だが。

そして又しても奥さんのリズが用意してくれた素晴らしいディナーとワインで話が弾み、沢山のチューンを演奏した。じゃぁ最後の曲、と言いながらそれからも何曲演奏したことだろうか?

ベッドに入っても頭の中は沢山のチューンがまだ流れている。

8月24日   (土)晴れ。

今日は午後からFlannery Sistersの家に出かける。去年の8月31日に訪れて以来の約1年ぶりだ。お姉ちゃんが18歳、妹が15歳と言う、この地方きっての良いミュージシャンだ。因みにもうすでにオールアイルランドチャンピオンはいくつも獲得している。

彼女たちの学校が始まる前にまた是非来て欲しいと言われていたので、クラニッチ夫妻とともに出かけていった。

お姉ちゃんの方は少し大人っぽくなったかな、と言う感じでフィドルプレイもかなり力強くなったみたい。妹の方はヒョロっと背が伸びて、完全に僕より大きく、コンサーティナやティンホイッスルの腕前はもう言葉を失うほどだ。

食事の後のセッションで感じたことを率直に言うと、こういう子たちの土俵を荒らしてはいけない、と言うことだ。毎年それは思うことだが。

食事しながらでも古い録音が流れていて、本当に小さい時からこの伝統音楽の真の姿を追い続けている子達がコンペティションに出るべきであって、冷やかしでのこのこ出かけていくべきではない。

だから、この子たちの伴奏をするときは細心の注意をはらわなくてはいけない。そうしてこちらも学ぶことができるのだ。

夜遅くまで付き合ってくれてありがとう。

戻ったらもう2時にもなろうとしていた。

8月25日   (日)晴れ。

クラニッチ夫妻に送っていただいてカーロウに戻る。また次なる目的のために少し体力温存。

この上ないくらいのおもてなしと、この上ないくらいの天気に恵まれてリズとマットに大感謝のままお別れをした。また来年、元気なままで会おう、と約束して。