フォークソングに続いて想い出すのはやはりブルーグラスのアルバムの事だろう。
バンジョーを弾く者にとっては欠かせないものは何といってもスクラッグスのもの、フォギーマウンテン・ボーイズのものだ。
初めてブルーグラスなる音楽に遭遇したのもフォギーマウンテン・ブレイクダウンだったのでそれはラッキーだったか、アンラッキーだったか…。
回転数を間違えたのではないか?というのは今では通じない話だ。そしてなぜ、みんな鼻をつまんだような、しかも甲高い声で唄うんだろう。それにテンポもやたらめったら早いし…等々、興味津々だった。
そして大学に入り、京都産業大学ブルーリッジ・マウンテンボーイズに加入してからは、様々なアルバムを聴きまくった。もうアルバムタイトルなど書き切れないくらいに聴き漁った。
スタンレー・ブラザース、ドン・レノ&レッド・スマイリーのテネシーカットアップス、オズボーン・ブラザース。
勿論、ビル・モンローとブルーグラス・ボーイズ、渋いところではジョー・バルとニュー・イングランド・ブルーグラス・ボーイズやらストーニー・マウンテン・ボーイズ。そして徐々に欲も出てきて、ビル・キースやボビー・トンプソン、エディ・アドコックのカントリージェントルメン。そして、時代はどんどん進んでゆき、ニューグラスの波が押し寄せてきたのが1971年頃かな。
日本にやってきたのはそれくらいだったと思う。
その辺りはまた別な機会に書くとして、やっぱりストレートな土の匂いがするようなブルーグラスはどこまでも力強く僕の胸に突き刺さる。
そんな意味では今でも無性に聴きたくなるものはやはりスタンレー・ブラザースかな。
あまりCDとか購入して聴かなくなった今でも、ボックスセットなるものを持っているのはスタンレー・ブラザースだけ、なんて自分でも不思議に思えてくる。
しかし、その演奏からブルースを感じ、その歌声からヴァージニアでの彼らの暮らしが見えてくる。これはもう究極だ。