Cat nap ~うたたね~ 楽曲紹介

1 Keeping The Cats Happy 

キーピング・ザ・キャッツ・ハッピー

作者のマーク・サイモスはこの世界に入った頃から注目していたギタリストの一人だった。

彼はピア二ストとしてもフィドラーとしても、それに編曲家やプロデューサーとしても活躍するアメリカ東海岸の人。

どういういきさつで出来た曲かは分からないが、非常に難解なリズムを持った軽快な曲だ。

突然の入りに驚く人もいるかもしれない。驚く猫もいるだろう。

( Mareka : Fiddle  Junji : Guitar)

2 Darling’s    

ダーリンズ・ワルツ

ジョニー・カニンガム作のこの曲は、ずっと前に彼とのコンサートで演奏した覚えがあったが、絶対に希花さんが好きな曲という確信があったので、記憶を基に探しに探していたもの。ピーター&ウエンディという人形劇に出てきた曲だ。可愛らしいメロディ、特にBパートの印象が強かったのでそれを頼りにし、見つけ、録音にこぎつけた。

ハープでの演奏にもよく合う、リラックス効果抜群の曲。

( Mareka : Irish Harp & Fiddle  Junji : Guitar)

3 Mrs.Judge   

ミセズ・ジャッジ

オキャロランの曲。実際にはこの後セコンド・セッティングとしてジグが続くのだが、それはほとんどO’Carolan’s Welcomeに酷似しているせいか、省く人も多い。僕もその方がすっきりしていて好きなのでこのような録音にしてみた。ハイストリングギターのイントロをフェイド・インさせてみた。

                                       (Mareka : Fiddle  Junj : Guitar & Mandolin)

4  Presbyterian Guitar 

プレスビテリアン・ギター

70年代から良く弾いていたジョン・ハートフォードの曲を久しぶりに。

ステージ上で演奏した記憶はないが、誰でもが好きになりそうな美しい子守歌のようなメロディだ。

プレスビテリアンと云うのは「長老派教会」と云う意味。カントリーミュージックの世界では、ゴスペルトラディションの名曲だと云われている。

(Junji : Guitar)

5  The Galway / Beare Island / The Malbay Shuffle

ザ・ゴールウエイ、ベアー・アイランド、マルベイ・シャッフル

1曲目は一般的にラリー・レディカンの作と言われているが定かではない。ちょっと変わったカウントの曲だ。2曲目はケビン・バークの演奏で覚えた。彼は自身のアルバムにデイル・ラスから習ったと書いてあったので僕は長年デイルの曲だと思っていたが、デイル曰くリチャード・ドワイヤーの曲、という事だ。3曲目はキャリコ(グループ名。因みにcalico catと云うと三毛猫のこと)の録音から覚えた、僕らがとても好きな曲のひとつ。シンプルだがとてもいいメロディだと思う。

( Mareka : Fiddle  Junji : Guitar)

6  Up Sligo / The Cat That Ate the Candle  

アップ・スライゴー、ザ・キャット・ザット・エイト・ザ・キャンドル

1曲目は80年代前半にストックトンズ・ウイングの演奏から覚えたもので、別名Creel

Of Turfとも言われるようだ。2曲目は同じタイトルのジグが比較的良く知られているが、このリールはフランキー・ケネディの演奏が有名だ。なので、彼のペンになる曲のような気がしていたが、彼自身のライナーによるとラリー・マクドナーというスライゴーのフルート奏者から学んだ、と言っている。しかし、作者が彼なのか、他に居るのかははっきり分からないようだ。

( Mareka : Mandolin & Fiddle  Junji : Guitar & Octave Mandolin )

7  All Young / Kitchen Girl 

オール・ヤング、キッチン・ガール

2曲のオールドタイムチューン。この手の曲を延々と10分も15分も演奏して乗りに乗ってくる世界はアイリッシュと共通するものがある。

1曲目の、このメジャーかマイナーかはっきり分からない独特なモーダルサウンドと云うのはこの手の音楽の魅力のひとつだ。

(Mareka : Fiddle  Junji : Guitar & 5st.Banjo)

8  Cumberland Gap  

カンバーランド・ギャップ

ブルーグラスチューンとしてよく演奏してきた曲だが、最近、ジェイソン・ロメロの演奏を聴いて、こんなメロディラインもあるのか、と思ってからはこちらが気に入っている。

恐らく、ブルーグラスプレイヤーはこれがカンバーランド・ギャップとは気がつかないかもしれない。

バンジョーはカンバーランド・ギャップ・チューニングと呼ばれる調弦。

マウンテンマイナーで5弦だけFに合わせるというものを使用している。

(Junji : 5st.Banjo & Guitar)

9  The Sunny Hills of Beara / The Fox in the Thatch 

ザ・サニー・ヒルズ・オブ・ベラ、ザ・フォックス・イン・ザ・サッチ

ジョン・ドワイヤーの2曲。ほとんどの場合この2曲はセットで演奏される。僕らはトニー・オコンネルのプレイから習った。

彼のアルバムではフィドルをBrid Harperが弾いているが、ここでは希花さんが一人二役を演じている。

Bearaをここではベラと日本語表記にしたが、実際にはバとベの中間のような感じ。

トニー・オコンネルが彼の愛犬と共に朝、僕らを連れて行ってくれた、ケリーとコークのボーダーを一望できる丘から360度見渡せるあたりの景色のことだ。

(Mareka : Anglo Concertina & Fiddle  Junji : Guitar)

10 Gentle Light That Wakes Me  

ジェントル・ライト・ザット・ウエイクス・ミー

フィル・カニンガム作の美しい曲。この曲を覚えた途端にこれは次のアルバムの最後に持ってこよう、と思っていた。タイトルとは真逆で、就寝時にも気持ちの落ち着くいい曲だ。

シンプルな録音で一発入魂という雰囲気を味わっていただけると思う。

 (Mareka : Fiddle  Junji : Guitar)

使用楽器

Junji

  Guitars : Lowden LSEⅡ Lowden O-32C  Taylor NS24ce

  5st.Banjo :  Deering Goodtime Americana 12

  Mandolins :  Gibson A-4 1911 P W Crump Octave Mandolin omⅡ

Mareka 

  Fiddle : Made in Italy 1890

  Irish Harp : Stoney End Brittany 22 

  Concertina : J Suttner 30keys Anglo

  Mandolin : Gibson A-4 1911