楽器を選ぶ

よく坂庭君と僕とは2人で楽器屋さんに行った。当たり前か。

そんな中でも神田のカワセ楽器はいちばん二人でよく出かけた場所だろう。

東京に何日か宿泊すると、必ずと言っていいほど行ったところはアメ横。

これは紛れもなく彼の趣味で、僕はただ付いて行っただけだが。

そして神田へ。

当時、エスワイルと云う名前のババロワがとても美味しい喫茶店があった。ケーキ屋さんだったかなぁ。

そこはカワセ楽器の近所で必ず寄ったものだ。

途中、路地の奥の方にいつも沢山の人が並んでいるラーメン屋さんがあったが、立ち寄ったことは無い。

横目で見ながら「席、ひとつだけやろか?」てな冗談を言ったものだ。

そう言えば万屋さんみたいなところがあって、いや、本屋さんだっかな?店先の箱の中に犬が座っていてその箱に「さわるのきらい」と書いてあった。

だれか見た事ある人いますか?

そしてそのままカワセ楽器へ行くともう一日が終わってしまう。

大体長居するからだ。

2階だったか、別室があって、そこであれやこれや弾かせていただく。

そんな時の僕らの会話は「お前、それよく似合うぞ」そんな観点で楽器を買うヤツ居ないだろう。

このフレーズ、今ではクロサワ楽器ドクターサウンドの小林君に引き継がれている。

「お客様、よくお似合いで」すかさず僕はこう返す「いやいや、店員様の方がよくお似合いですよ」