~プロローグ~ 2010年、僕はアンドリュー・マクナマラの家に居た。お母ちゃんもまだ健在だった。僕らがふざけ合って弾いているチューンに合わせてステップを踏んでいた。
その年、希花さんと、この家で会っている。
アンドリューが「変わった顔した子だな」と言っていたが、多分日本人の顔は眼が細くて吊り上っていて…とかそういうイメージだったのかな。
2011年からデュオとして出かけることになった。
そしてこの年にブレンダン・ベグリーを紹介している。
僕が彼と初めて会ったのは99年かな、アンドリューと二人でケリーに行って夜通し、えらい目に遭った時だ。
このえらい目と云うのを希花さんにも味わってもらわないとアイルランド音楽もうわべだけのものになってしまう、と確信していた。
そのブレンダンとの待ち合わせの時間を潰している最中にトミー・ピープルスと再会。動くトミー・ピープルスを初めて見た希花さんがしばしポカンとしていた。
そして怒涛のフィークル。パブに居ても、B&Bに居てもセッション、またセッション。
寝る暇がない。食べるものも大したものはない。それでいてとても充実した日々。
ゴールウエイではフランキーを呼び出して3人だけの鬼気迫るセッションも。
別の日には、あるセッションでメアリー・シャノンに気に入られてパブの梯子をした。
まだまだ駆け出しのデュオだった。