2019年、この年は先ず、韓国の仁川に飛んだ。そしてアムステルダムを経由してダブリン。
猫はすっかり大きくなっていたが、すぐ膝の上に乗っかってきた。
この年、希花さんが注文していたノエル・バークの弓が出来上がって受け取りに行った。世界的な弓職人ノエル・バークがなんとカーロウに住んでいるとは偶然だ。
送ってもらわなくても取りに行けばいいのだから。
そしてまた、フィークルで歌えや踊れの大騒ぎ。
アンドリューを始め、カレン・ライアンもアイリーン・オブライエンもマーク・ドネランもジョセフィン・マーシュも、とことん素晴らしい演奏家だが、こういうところで聴くことに価値があるのかもしれない。
あの爆発ぶりは日本に呼んだとしても再現されないだろう。
実際に目の当たりにした、高橋竹山の津軽公演、というところだろう。
毎日、昼から始めて、家に戻ったら朝の3時~4時。しかも何杯のギネスを飲んだのか記憶にもない。
また、この年初めてカウンティ・ミースを訪れた。2014年に知り合ったファミリーに再会するために。
その時はゴールウエイで、このファミリーの息子がバンジョーを弾いていたのだ。何度かそれからも出会うチャンスがあったのだが、とに角、家に来い、とずっと言われていたので、やっとそれが叶ったわけだ。
ミュージシャンファミリーではない、ごく普通のアイルランドの中流家庭との数日間は、また別な暮らしを観た、という感覚だった。
下の女の子が(10歳くらい)「あたしの友達が日本のポップスが大好きなの。BTSって知ってる?」と言っていた。希花さんが「それ韓国じゃねぇ?」と言っていた。
帰りはその韓国に立ち寄って、小さなコンサートとワークショップとセッションで韓国の素晴らしい仲間たちにお世話になった。
この旅のレポートの最後に、身体さえ丈夫だったら、また2020年アイルランドの旅という記事を書いているだろう、と記していたが…。
~エピローグ~ 以上、既に書いてきたアイルランドの旅のダイジェストを通してこの10年間の動きを振り返ってみた。
今、希花さんは医学の道を真剣に進み始めた。
しかし、それでもアイルランドにいる以上、音楽仲間との繋がりはますます広がって、沢山演奏も出来ているようだ。
僕も、今年は3年ぶりにアイルランドに出掛ける。純粋に音楽の為だけに。
周りの同年配には身体の調子が悪い人も一杯いるし、気を付けなくてはならないけど、僕は相変わらず虫歯もない。特に痛いところもない。沢山食べたらすぐ太るので要注意。
そんな事を言っていてもいつ何時、内藤先生のお世話になるか分からない。いや、お世話にはなりたくない気持ちもある。
10年の間、アイルランドで通用する底力のあるフィドラーになるようサポートしてきたので、これからは世界で通用する医師となるようにサポートしていく。
10年か。過ぎた10年は短く感じるけど、これから先の10年を考えると結構長い。
因みに、地球の寿命はあと14億年と云われている。それまでに生命は消滅する、とも。
しかし、たかがここ数年、色んなことが起きて世界はこれからどうなるのか見当も付かなくなってきた。
我々としては自分のやるべきことを普通にやって、できる限り健康を保ち、お世話になった友人たちに感謝して生きていくしかない。
この10年が次の10年に繋がりますように…。
余談だが、BTSの活動休止が社会現象になったらしい。
ストーリーとしては「アメイジング・グレイス&チャック」のようなものだったら面白かったのになぁ。