衝撃的な映画だった。
しかし、これが公開された時点では(70年)若かった僕らにとって、それほどの衝撃は無かったはずだ。
それが年齢を重ね、更にアメリカと云う国を体感するにしたがってその奥深い内容が身に染みて分かってきていた。
因みに「今風の中」のメロディはこの映画のシーンを想い出して書いたものだ。
何度観てもいたたまれないエンディング。
南部で彼らに向けられた視線は、僕らにも覚えがあるものだ。
ヒッピーのコミューンに立ち寄るシーンにも見慣れた感があった。
70年代はアメリカにとって空白の時代だった、とも言われているが、あまりにも多くの、いわゆるサブカルチャーの出現を追う事が出来なかっただけではないだろうか。
70年代というのはすでに68年頃から始まっていた、とも言われている。
そして現代のアメリカを形成している基でもある。
好きな映画のひとつとしてトップに挙げられるのが「未知との遭遇」これも70年代後半だった。
宇宙人(?)と共に旅立っていく彼が羨ましくも思えた。
ディア・ハンターも70年代後半だった。
そういえばベトナムから来ていたマイクが「あんなロシアンルーレットなんか誰もやっていなかった!」と言っていたが、だいぶ年上の同じくベトナム人のおばちゃんが「あんたみたいなガキに何がわかるんだ!」と怒鳴っていた。
確かにあれは映画上の作り話だという説も多くある…が、しかしかなりのインパクトはあった。
とても観ていられないほどのシーンを持った何度も観たくなる映画だ。
同じように、イージ―ライダーのラストシーンは、参ったなぁ、観てしまったよ、と思いながらモヤモヤ感でいてもたってもいられなくなるくらいの映画だ。
そしてまた観たくなってしまう、
映画も、時をまたいで観るとなかなか面白いものだ。