クレアから少し北、ゴールウェイに来ている。ここも観光客や学生が多い町だが、音楽はクレアにまけず劣らず、ひたすらに熱い。
まず、フランキー・ギャヴィンと連絡を取る。とても忙しそうだが、時間を作って会いに来てくれるそうだ。
一安心したところで、まず町を散策する。
いたるところにストリートミュージシャンがいる、とても活気のある町だ。確かこの辺に楽器屋があって、そこにバンジョーとキーボードを弾くブライアン・マグラーが店員として働いているはずだ、と思いそのあたりを目指してみる。
ブライアン・マグラーはジョン・カーティーと並ぶ大好きなバンジョー弾きのひとりだ。以前、(10年程前)トニー・マクマホンとツアーをしていた時に、同じステージで“ディ・ダナン”のメンバーとして演奏していた。
その時から何度かあちらこちらで顔を合わせていた。忙しそうに業務に励む彼と少しだけ話をして、また町に出た。
ここにもいっぱいパブがあって、そのパブのいたるところで有名、無名を問わず、かなり凄腕のミュージシャン達がしのぎをけずっている。
今夜はそのうちのひとつ“チコリ”にいってみることにした。
名前は知らないが、なかなかにすごいアコーディオン弾きがいる。その横でボーランを叩いているのが、ジョニー“リンゴ”マクドナーだと知ったのは随分経ってからだった。
ジョニーは“ディ・ダナン”のオリジナルメンバーだ。あのころ(70年代)とは随分見かけが変わっているので気がつかなかったのだ。
因みに10年前の“ディ・ダナン”のボーランはコラム・マーフィーだったような気がする。
ここ、ゴールウェイのミュージシャン達は少し落ち着いたクレアのスタイルとは違う、そう、言うなれば、あまりこの音楽を知らない若者でもすんなり入っていけるような、そんな魔力に満ち溢れている。
クレアはどちらかと言えば、落ち着いた玄人受けする音楽を世に送り出しているようだが、その辺のことに関してはもっともっと詳しい人がいるだろうし、あまりいい加減なことは言えない。
なにはともあれ、明日は、彼のフランキー・ギャヴィンと落ち合うことになっているので、今日はそこそこにして、体力温存といこう。