2012年アイルランドの旅  ~7月24日 ドゥーラン~

7月24日 くもりのち雨、のち、くもり。大体こんな感じである。

お昼からテリーが近辺を案内してくれた。朽ち果てた教会や、海の見える丘などを見ながらも音楽の話になる。

テリーはやっぱり根っからのトラッド・ミュージシャンだ。心に響いてこないものは音楽とは思わない。彼の音からは確かに人間の息使いが聴こえる。

帰りにすぐ近くのおじさんでコンサルティーナを2つ持っていて、最近、売りたいようなことを言っていたひとがいる、ということで、ある家に連れて行ってもらった。

そこは数多いB&Bのひとつで、なんと僕らが去年、飛び込みで見つけたのだが、部屋が空いておらず、親切にもいろんなところに電話して最終的にすぐ近くの宿を見つけてくれたところだった。

そして奥さんが電話をかけまくっている最中に、だんなさんがコンサルティーナを弾いてくれた、まさにその人のところだった。

テリーがちょいちょいと弾いてくれて、いい物だけど安くはないし(コンサルティーナという楽器自体、いい物はかなりの値段だ)ゆっくり考えたほうがいい、と意見を聞かせてくれた。

アップルパイとコンサルティーナの違いの分かる男だ。

一旦テリーと別れた後、ギタリストでシンガーのナイルからお茶でも飲みに来いよ、と電話が入った。

去年知り合った、日本人の奥さんがいるもの静かでやさしい人だ。ドゥーランの中心部から少し離れた家に着くと、ふたりの子供と奥さんが出迎えてくれた。ひとりはまだ生まれて間もないが、もうひとりはやんちゃ盛りの男の子だ。

美味しいキャロットケーキと極上のコーヒーでひと時を過ごした。奥さんももの静かな人でとてもお似合いの夫婦だ。

ふたりにお礼を言って別れた後、またテリーとクリスティとセッションに興じて1時半頃に眠りについた。