去年2020年はこのサウンドTAMに於いては僕らの音楽で始まり、僕らの音楽で終わった1年だった。
と云っても、その間に僕らも多くのギグをこなしたわけではない。
それどころか、僕らにとってもサウンドTAMにとっても、もちろん皆さんにとっても予想もしなかった1年になってしまったわけだ。
とに角、そんな中でも一生懸命やるべき仕事を地道にこなしてきてくれたタムちゃんに感謝。そしてそれを陰から、時には前面に出てサポートしていただいた夏子さんに感謝。
そして彼らを見守っていてくれる猫のちゃいろに感謝。
コーヒーをいただいてサウンドチェック。相変わらずの素晴らしい音色を引きだしてくれる。
この日は、朝、アイルランドのキアラン君からメールが入った。
Tony MacMahonが82歳で亡くなった、という。すぐにAndrewにお悔やみのメールを送った。
そんな事もあり、1曲目はPort Na BPucaiを演奏した。
彼とのツアーでとても印象深かった有名なエアーだ。これを聴いて目頭を押さえる人を何人も見てきた僕にとって、やっぱり彼は偉大なミュージシャンだった。
2016年アイルランドの旅6の中で彼との再会の様子を書いたが、彼に会うのはあれが最後になってしまった。
そして何曲か今までに皆さんの前で演奏したことのない曲もやってみた。
随分久しぶりの曲もやってみた。
皆さん、じっくり、ゆったりと聴いていただいたようだ。
お帰りの際、みんないい顔していたよ、とタムちゃんが言っていた。そして、やっぱりそれが一番うれしいな、と云って本人も本当に嬉しそうにしていた。
こんな日が普通に戻ってくるのはいつだろう。戻りつつあるようにも見えないことはないが、そうでもないかもしれない。
せめて皆さんがマスクを外して少しだけ一緒に口ずさんだり、笑ったり、話したり、そんな日が戻ってくれることを祈っている。
皆さん、ありがとう。また会いましょう。