Mareka&Junji with Cormac Begley ツァー後半 ギター・プラネット 下北沢ラ・カーニャ、そして三島

お茶の水のギター屋さん、ギター・プラネットでの演奏。もともとこの日はローデン・ギターに関するお話をメインに考えていた。お店の城谷君とお話をしていて、ピエール・ベンスーザンや岸部君のようなギター・スタイルだけではない、いわゆるアイリッシュ・トラッドに於ける、本来無くてもいいギターはどの様にしてそこに溶け込んでいくのか、というあたりをやってみたい、ということが始まりだった。
とは言え、城谷君はフィンガー・ピッキングの名手である。しかしながらローデンというアイルランド製のギターを販売している上で、このギターを通じて様々なスタイルに興味を示してくれた。
アイリッシュ・トラッドに対するギターを解説するのは本当に難しい。僕はずっと言っているように、ギタリストこそすべての曲を把握するべきだ、と思っているからだ。マーティン・ヘイズの持ってくる曲と彼のリズム、アンドリュー・マクナマラのそれ、トミー・ピープルスのそれ、トニー・マクマホンの、パディ・キーナンの、フランキー・ギャビンの…常にその人に最適なギタリストであることを目指してきた。そしてこの日コーマック・ベグリーに最適なギタリストでなくてはならない。もちろん内藤希花にも。沢山お話もしたが、やっぱり言葉で言うのは難しい。
また機会があったら今度はもうちょっと上手く説明できるかな?またよろしくお願いします。

 

下北沢ラ・カーニャはいつもの“いわちゃん”のお店。あんなに沢山の店がひしめき合っている下北沢の町はコーマックにとって結構面白かったのかもしれない。ひとりであっちこっちに出ていき、なぜかちゃんと戻ってくる。あんなに何も目標物の無いところで生まれ育ったからこそ、なにかひとつ目標を決めたら自分の居所が分かるのだろうか。毎日のように希花さんにコンサルティーナを教えてくれていたが、その辺も教えて欲しい。希花さんなんかいつも行く隣の家が右だったか左だったかも分からなくなるくらいだし。

コンサートにも多くの人が足を運んでくれた。ありがとうございました。僕らは終了後三島へ向かいました。

 

三島はいつものアルマジロ君の主催。今回はかなり前に決まっていたのでコーマックには少しだけでいいよ、と言ってあったが、ここまで一緒にやってくると、もう、一つのグループという感覚だ。なのであたまから一緒に出ることにした。しかしながら今回はアルマジロ君の提案で“やぎたこ”とのジョイントだ。やなぎ君と辻井貴子さんのこのデュオはアメリカン・トラッドを真面目に演奏し、歌う。各地にコアなファンが沢山いるのもうなずける。やなぎ君は目いっぱいの楽器を(15台くらい?)車に積んで日本全国をまわっている。貴子さんは会計士としての仕事をしっかりやりながらこのデュオを、どっちかといったら引っ張っている。どこでも女性は強く見える。二人とも、とてもにこやかで感じがいい。

是非またジョイントしたいものだ。やぎたこの演奏の後、僕らはとことんアイリッシュをやった。やぎたこのバラッドの中にも元をたどれば、スコットランドやアイルランドのものがたくさんある。

コーマックはこの日、日本での最後の演奏だ。彼の奏でるエアーに、また胸が熱くなる。本当はもっともっと、「アイリッシュ音楽が大好きです」と言う人たちにも聴いてほしい。彼や、彼らの奏でるエアーに出会ったら、この音楽に惚れ込んだことを感謝せずにはいられない。

打ち上げも大いに盛り上がった。やなぎ君、たこちゃん(貴子さん)有難う。アルマジロ君、ありがとう。そしてコーマック。長い間日本にいてサクラも、そうそう、真っ青な空にそびえたつ富士山も見て、秋葉原も行って、堪能しただろうけど、一人というのは可哀そうだったかもしれない。

どこへ行ってもみんなが日本語でしゃべり、よくわからないままに一日が過ぎていくので辛い面もあっただろう。

でもいい子だし、本当にトラッドを大切にしている子なので、是非また来てほしい。でも、一人で来させるのは2週間が限度かな。

ところで、帰りしな、成田で「ユーは何しにニッポンへ」に引っかかったらしい。空港でコンサルティーナ弾いちゃった、と電話してきた。

どこまでも可愛らしいやつだ。