南青山CAY ジョン・ヒックス
風が強く、素晴らしい天気に恵まれ、朝、空を見上げた時、雲の形がどことなくアイルランドで見たものと良く似ているような気がしました。
初めての来日、そして初めてのオフィシャルなコンサートを控えた彼は、全くいつもと変わらず、サウンド・チェックも5分ほどで終わり。
よっぽどなトラブルでもない限りは5分で充分。あとはコーヒーかギネスでも飲んでいたらいい、というなんとも気楽な男です。
15歳くらいで家を飛び出して、世界をみてまわっている彼です。ちょっとやそっとのことでは動じないのでしょう。
彼がまだ若い時に出会い、たんなるヒッピーかと思ったのですが、なかなかに博学で、世界史にもかなり詳しいところがあるし、コンピューター関係、音響関係にも非常に明るいようです。
デスクワークもかなり得意なようですが、ひとたびギターを弾かせれば…この日CAYに来ていただいた皆さんにはもうお分かりかと思います。
僕は彼をたくさんの人に紹介したかったのです。95年頃の出会い以来、多くの人に彼の話をしてきました。
そして今日という日を迎えることができて本当に嬉しかったです。
彼でしか弾けない超絶テクニックを事もなげに連発させるスタイルを持ちながら、トラッドをきちんと心得ている。そして相手に合わせるという術にも長けている。
このようなギタープレイを、日本でアイリッシュギターというカテゴリーに属している人達に目の当たりにしてほしかったのです。
僕が初めて彼を見た時、眠ることをやめて練習に励んだ時のような感覚を持ってほしかったのです。
彼は充分それだけのインパクトを人にあたえる要素をもっているミュージシャンだ、と
僕は思います。
月曜日、週が明けたばかりでお忙しい中をかけつけてくださった皆さんに感謝いたします。
そして、音響や、ドリンク、フードを作ってくれたり、運んでくれたスタッフの皆さんにも大感謝です。
彼らがいなければこのようなコンサートもできません。ジョンも皆さんにとても感謝しておりました。
ありがとうございました。