下田スパイス・ドッグ
なんとも言えない素晴らしい行楽日和に恵まれてしまって、いや、普通は恵まれたことは感謝しなければいけないのだが、とんでもなく時間がかかってしまった。
往復で9時間は、もし次に行くことがあれば考えなくてはならないが、今回はジョン・ヒックスとのスケジュールのかみ合いもあり、日帰りということにした。
ただし、見渡す限りの青空の中に素晴らしい富士山がそびえたつ様は彼にとって必見だったかもしれない。
スパイス・ドッグはグレイトフル・デッド好きのマスターである“のぶさん”が経営している、いかにもそれらしいスポットだ。
古着やちょっとしたアクセサリーなども販売しているが、なかなかいいものがある。前回、友人である“あるまじろ”君に連れてきてもらった時も、そして今回も希花さんは、ちゃっかり洋服を購入していた。
最初のものは9月の蒲田教会で着ていたが、今回のものはどこで着用するのだろう。いずれにしてもそんなにべらぼーな値段ではないので、相談を持ちかけられても「いいんじゃないの」と軽く言う。
僕が払うのなら5回に4・5回位は「やめておきなさい」というが、自分で買うのだし…。
さて、店に着くなりコーヒーとビールを飲み始めるジョン。彼にとってはなかなかに居心地が良さそうな場所である。こちらは生涯、買いものという行為はしないようだが。
かなり長い滞在で、ゆっくりさせ過ぎたのか、それに英語で話す相手も限られるので、彼にとって、そこそこ英語で会話ができる人が沢山いて、また見なれたグレイトフル・デッドのポスターなどがいっぱいあるこの店は、ロケーションも含めてなんとなく落ち着くのだろう。
音楽の方は、ライブとして最後だったこともあり、いつにも増して爆発度は高かったようだ。
何度も続くアンコールの拍手。勢い余って2回も弦を切るが、切れた弦はそのまま又結び目を作り、あっという間に交換してしまう。なんともエコだ。
後ろの方で踊り出す人達もいて、音楽会としては大成功だったと思う。ジョンはやっぱりどこまでも強烈なギタリストだ。
この地にもアイリッシュ・ミュージックを演奏している人達がいるそうだが、やはりやってはこない。
聞いたところによると、日本でアイリッシュ・ミュージックをやっている人達の多くは本当のアイリッシュ・ミュージックに興味が無いらしい。
非常に面白い現象だ。
音響を担当してくれた桜井君はギター職人としてもかなり卓越した技術を持った人で、彼の作になるギターも見せてもらったが、素晴らしいものだった。
なんとかこういう人が商売に繋げていけるよう、手助けがしたいものだ。
初めてお会いした“ムロケン”さん。ハード・タイムスの日本語の歌詞をつくってくれた人だ。
彼の前でこの歌を唄うのには勇気がいりました。でも気持ちよく迎えてくれて有難うございました。
今回の会を企画してくれた旧友の“あるまじろ”君、お疲れ様。
なんと、奈良から7時間もドライブして見に来てくれた無謀な人もいる。いつも来てくれる彼はもう僕らの家族みたいなものだ。遠路はるばる有難う。
次回、ここに来る時はもうちょっと余裕を持ってスケジュールを組まないといけない、というのが僕らの反省点でした。