Mareka Junji & Ari 岡崎、中津川、常滑 ツアー その1

天気は上々。桜も至るところで満開。申し分ないコンディションに恵まれて幸先のいいスタート、と思いきや、やっぱり東京というところは車が多過ぎる。

「これくらいは普通やで」とクールな顔でフォードを飛ばすアリさんに全てお任せして一路岡崎へ向かうが、途中“美合サービスエリア(以下SA)”でたけちゃんが待っているはずだ。

アリさんとたけちゃんはこうして会うのは初めてなのだ。一応事前にこういう人で云々、という情報は伝えておいた。

双方とも胸を張って誰にでも紹介出来る人だ。すぐにうちとけるに違いない。かくして、SAに着くと、さすがにたけちゃん、すぐ分かる処にちょこんと座って待っていた。「いやー、いらっしゃい。お腹すいた?アリさんもお腹すいたでしょう。おいしいフランクフルト食べましょう」

聞くところによると、豊川のたけちゃんの家の近くの美味しいフランクフルト屋さんがここに店を出していて、東名でもここでしか食べることができないらしい。

「アリさん、大きいの食べるでしょ?ま、まれかちゃんは?大きいのにしなさいよ。食べなきゃだめよ。城田さんは大きいのだよね」

取りあえず、こういうときはたけちゃんに任せておけばいい。みんなで座ってフランクフルトにかぶりつく。

いつもこういう時に思うのだ。イサトさんや宮崎君だったらしっかり写真撮って、すぐにアップするのになぁ。どうも食べる方に先に神経がいってしまう。

ともあれ、さすがにたけちゃんは美味しいものをよく知っている。そして日本全国の道に関しても知識が豊富だ。

なので、僕らを宿泊先まで先導してくれる。到着したホテルのすぐ横の川べりには満開の桜が咲き乱れていた。

少しだけ態勢を整えて、また、たけちゃんが会場まで連れて行ってくれる。今回は彼のギブソン・バンジョー(本物です)を借りるのだ。

20年代のTB-1のボディを使い、60年代にスチュワート・マクドナルド社が金属部分とギブソン フライング・イーグルの5弦ネックをつけた、いわゆるコンバージョンものだ。

幾重もの時代を刻んできたような、激しくも華麗な音色は、いかにもオールド・ギブソンらしい。

会場に着くと、深谷君をはじめ、てーさんとハトちゃん、それにお手伝いの数人のかたがお出迎えしてくれた。

高見さんの“定峰まんじゅー”も山のようにお出迎えしてくれた。

会場になっている酒蔵は、僕らはこれで3回目。アリさんは初めてだ。リハーサルも楽しく終えて、たけちゃん、ギブソンの音色に満足したのか「お腹すいたでしょう。なんか食べましょう」軽く近くのコンビニで焼き鳥やおにぎりを買ってブラブラしていると、アリさん「しまった。ホテルにCD置いてきた。まぁ、ええか」すかさずたけちゃん「まだ充分時間ありますよ。取りにいきましょう」

即行動のたけちゃんは、やっぱりどんなときでもたのもしい。

コンサートは、まず前座として、さわやかな声でオリジナル・ソングを唄う杉浦君。彼には、是非歌い続けて自分なりのサウンドを創っていって欲しい。

僕らはまず、InisheerからOut on the Ocean、“ 夜汽車”でハーモニカが汽笛を鳴らし、“星めぐりの歌”でハープが幻想的な世界を創り出し、そのまま“Morning Star”そのあと、ハープ・ソロからみんなで“花嫁”を唄い“八戸小唄”からReel Beatrice/Abbey Reelでフィドルがさく裂、アリさんのバウロンも軽快に飛ばす。そして、オープン・ハウスのナンバー“Ocarina Tatoo”で一部を締めくくった。

2部ではまず僕が“Vincent”で入り、希花を呼んで官能的な“She’s Sweetest When She’s Naked”

アリさんを呼んで、彼の素晴らしいハスキーボイスで“港”そして、フィドルとバンジョーを加えて“Goodnight Irene”をみんなで歌い、アリさんのハーモニカで“ミケランジェロ”今度は希花のコンサルティーナをフィーチャーしての“Tour De Taille”そのまま“ハード・タイムス”そして“La partida”最後に言わずと知れたご機嫌な“Foggy Mountain Break Down”

アンコールは静かに“Si Bheag Si Mhor”てーさんの創り出す音がいつも素晴らしく僕らをサポートしてくれる。

打ち上げも無事終わり、と言いたいが、てーさんの頼んだ“えびちり”はとても食べられるシロモノではなかったようだ。

一応コンプレインはしたが、横にいたハトちゃん曰く「ずいぶん大人しくなったなぁ」だって。

みなさんお疲れ様でした。