少し暑くなってきた東京。でもまだまだ風が吹くと気持ちよさが残る、いちばんいい頃かもしれない。
そんな東京の下町といっていいのだろうか、両国での“アイルランドの文学と音楽”の両方を楽しんでもらおう、という会が5月23日に開催された。
開催なんて大げさかもしれないが、これを機にシリーズとして何度か試みたいものである。
栩木伸明氏はアイルランド文学研究の第一人者であり、また、その音楽にも非常に詳しい。自らは演奏しないものの、しっかりした歴史的価値と将来の展望を語れる貴重な人物だ。
アイリッシュ・ミュージックを演奏するうえで最も大切なことを、身をもって体験してきている栩木氏のお話はとても興味深い。
そんな人でありながら「ノビと呼んでください」という要望。これはなかなか難しいものがある。
まず、W B Yeats の詩の朗読からコンサートをスタート。そして希花さんによるインタビューの数々。
早稲田大学で教壇に立つ栩木氏と、つい数か月前まで医学生だった希花さんとのやり取りは、さすがに的を得た質疑応答を展開しているので、僕はできるだけ口を挟まないようにしよう。
栩木氏が実際にアイルランドで手に入れた「モノ」達も会場に持ってきてもらい、そのお話もいろいろ聞けた。
時間も限られた中だったので、詳しく知りたい人には彼の読売文学賞受賞作品「アイルランドモノ語り」で、もっと沢山の逸話に触れることが出来るだろう。
2部では僕らの音楽を聴いてもらい、そして最後に短い詩を読んでいただいて終了。僕らにとっても、そして多分ノビにも新しい体験をした一日だっただろう。
でも、本当のことを言えば、アイルランドでは当然あり得る会であろうし、僕らのような関係もごく自然につながっているものなんだろう。
そんな意味でも不定期にはなるだろうが、是非この会はまた開催したいものだ。