長い間、ハンマーダルシマー奏者の高橋康夫さんから、「越谷にいいお店がありますよ」と、聞いていた。
越谷というと、僕にとっては“スネークマン・ショー”の“ホテル、ニュー越谷”でしか馴染みが無い。
道中そのことを一生懸命になって説明するが、やっぱり「なんですかそれ」という返事しか返って来なかった。
駅に高橋さんがむかえにきてくれた。同じくハンマーダルシマー奏者のインテリ北向さん、それに、な、なんと奈良から谷口さんまで来てくれている。
最初の一言が「いやー、晴れましたね」というくらいに、今日は間違いなく雨が降る予定だったのだ。ところが、まぁ、曇ってはいるがそこそこの天気で、雨が降る様子はない。またしても晴れ男全開だ。
10分ほどでお店に着いた。中に入るとオーナーの椋野さん御夫妻が暖かく迎えてくれた。
沢山のフィドルやバンジョーなどがお店に飾ってあり、いかにもその手の音楽に永い事携わって来ている感がある。
少し音チェックをしていると、高見さんや、出張をダシにして大阪から来たわたるくん(いや、仕事はちゃんとしてきたようだ)近所といえば近所の村松さんと古川さん、ごくごく近所の松尾さん(この人、ホームページを見て初めてのお店に駆けつけてくれた、京都の平安女子校の出身)そして、続々と高橋さんのお仲間の方や、椋野さんのお仲間の方がやってきてくれた。
ブルーグラスやオールド・タイム好きの人達も多い中、彼らにも充分アイリッシュの魅力は分かってもらえるだろうし、今回はThe Rambler/Banish Misfortune/Bye A Whileというジグのセットから入り、Red Crow/Darley’s/Big John McNeille’sのリールセット、あとは朝の雨やホーンパイプなど、それにホテル・ニュー越谷のこともみんなに訊いてみたが、実在しないらしい。さすがにある程度御年配の方が多いのでみんな知っていた。
一部が終わると、見たことのある人が挨拶にきてくれた。アイルランドに長く住み、それもフィークルの片田舎のとんでもないところだったが、そこでずっとアイリッシュ・ミュージックを勉強してきた通称“たか”だ。
もっと根暗の感じだったが、少し明るくなったようだ。ナターシャー時代にも会った事があるらしいが、その頃彼はまだ小学生だったんじゃないかな。とにかくマーティン・ヘイズのようにフィドルを弾く男だ。
今日は終了後にセッションがあるので、楽しみだ。
2部はリクエストのあったFar Away Waltz/Trip to Skyeのセットから、恒例フォギーを高橋さんに借りたバンジョーで。これが実にいい音がする。
弾きやすく状態もいいので、次回も借りることにしよう…なんちゃって。よろしくお願いします。
コンサルティーナも登場して、あと何曲かで終えて、さてさて、そのまま少し態勢を整えてセッションタイムに突入。
高橋さんのバンド“フェアリー・ドクター”のメンバーや、他にも楽器を弾く人達、なんといっても圧巻は2台のハンマーダルシマー。独特な音の、また独特な形のこの楽器が2台並ぶとなかなか荘観である。
ベテランの高橋さんのプレイも、北向さんのプレイも素晴らしいものがある。よくこんな珍しい楽器に目をつけたものだな、と感心してならない。
‘94年に連れてきたロビン・ピトリーのことを想い出した。
そして、“たか”にマーティン譲りのクレアー・スタイル・フィドルを聴かせてもらい、いよいよマスターの登場だ。曲はJerusalem Ridge。3回目で希花がメロディーを弾くと、マスターがハモる。これが実に綺麗だった。次は是非ステージの上でお願いしたい。
楽しかったセッションも、あっという間に2時間ほどが過ぎ、お腹が空いたので、絶品タコライスを注文。とっても美味しかったです。
みなさんどうもありがとうございました。
高橋さんと、彼の金髪ギャル奥さん(名前聞いているはずなのに)忙しく走り回り、お店のお手伝いからCD販売まで請け負ってくれました。本当にありがとう。
椋野さん御夫妻、お世話になりました。とても素敵なお店で沢山の仲間に囲まれたこのおーるどタイムを末長く続けていってください。タコライス美味しかったです。
あっ、注文するのすっかり忘れてました。お店のホームページで見て楽しみにしていた、チョコスポンジロール・キャラメルクリームチョコクッキー入り(注文する時、舌噛みそう)次回よろしく。
ライブ・セッションの様子をお店のブログにのせていただきました。ぜひごらんください。 →おーるどタイムブログ