Mareka&Junji with Edel Fox

11月4日、名古屋に向かう。今日から3日間、アイルランド大使館の招聘による若手コンサルティーナ奏者、イデル・フォックスと行動を共にする。

彼女とは2012年の7月18日から19日にかけて、リムリックで会っている。あの時はフィドラーのジェリー・オコーナーやゾーイ・コンウェイ等と共に演奏した。彼女はほとんど喋っていたが。

果たして、今回も本当によく喋った。非常に明るくて周りの人をうきうきさせる好人物だ。

名古屋ではワーク・ショップをやってもらったが、名古屋在住のギタリスト兼フィドラーの山内さんにお世話になり主催していただいた。

おかげさまで10人ほどの人達がコンサルティーナやフィドル、フルートなどを持って足を運んでくれて、いいセッションもできた。

会場として使わせていただいたアイリッシュ・パブ「シャムロック」の皆さん、そしてお忙しい中を来ていただいた皆さんに感謝します。

 

11月5日、お馴染みのたけちゃんと岡崎に向かう。例の「手風琴のしらべ」の備前屋にイデルを連れて行った。

ここにはコーマックも来ているんだ、と説明しながらひとつ試食してもらったら、すごく美味しいと言って喜んでくれた。

多くの場合、白人種はあんこというものが苦手なはずだが、この人は性格的にもとても明るくて、いろんなものを受け入れる器があるのかも知れない。

岡崎は深谷君と彼の仲間たちが主催してくれた。

会場いっぱいにイデルのコンサルティーナと話し声が響く。

今回はアイリッシュ・ミュージックとしての会だが、僕もバンジョーを弾き、イデルにも日本民謡に参加してもらった。ダブル・コンサルティーナによる“サンディズ・ウェル”も美しい音色でイデルも楽しんでいたようだ。

岡崎のコンサートに来ていただいたみなさん、どうもありがとうございました。イデル・フォックスは間違いなくこれからアイリッシュ・ミュージックの伝統を引き継いでいく一人となっていくことでしょう。

いや、アイルランドではすでに高名な演奏家です。そんな彼女の演奏を生で聴いていただいたことを嬉しく思います。

 

11月6日、大阪は今富君のお店「オッピドム」に向かう。たけちゃんとイデルとは全く話が通じていないのに、もうすっかり打ち解けている。

刈谷のインターで「デラックス・トイレ」なるものを見せてもらったイデルも「今晩ここに泊まれる!」と感激していた。

例によって道中喋りっぱなし。いい英語の訓練にはなる。

それでも、フランキーとアレックのアルバムの話や、パディ・オブライエン、ジェームス・ケリー、ダヒ・スプロールのアルバムの話に華が咲き、それぞれが僕らにとってバイブルだ、というようなこと、その他のトラッド録音の話など、いい話がいっぱいできた。日本で自称アイリッシュ・ミュージシャンとしてあちこちで演奏している一部の人たちとは決して成り立たない会話だ。

オッピドムに到着すると“オッピー”今富君がいつもの笑顔で出迎えてくれる。サウンド・チェックもすぐに終わり木内君がバンジョーを持って駆けつけてくれ、いつものようにスタート。

もうイデルともサウンドがタイトになってきたようで、この次アイルランドに行ったら、また一緒に仕事ができそうだ。

また、この日の大きな収穫のひとつに、大谷大学と京都大学、あと神戸大学の人もいたと思うが、彼らのブルーグラスが聴けたことがある。そして彼らと一緒に演奏できたこと。(ケンタッキー食う寝ルズだったかな)なんと、イデルまでのりに乗ってブルーグラス・チューンを演奏する。

僕は本当にブルーグラス畑の若者たちが大好きだ。一生懸命になって他の人の演奏に聴き入るその姿は、アイリッシュもやります、あるいはアイリッシュをやっています、という人達からは感じることができないくらい、真剣で大らかなのだ。

もしかしたら今富君の人徳かもしれない。ここに集まる人たちの中には金子鉄心さんのような素晴らしい人もいるし。

オッピドムは僕らにとっても貴重な場所だ。いつも台所で働いてくれる平岩さんも、超貴重な人だ。

来ていただいた皆さんにも感謝します。

イデルとはここでお別れ。彼女は京都へ、僕らは四国へ行く。彼女はどこへ行ってもみんなから好かれ、交通費出すからまた来てよ、という人まで現れた。

また、実現させたいと思っている。