2017年 アイルランドの旅 1

7月31日(月)午後。晴れ、ひたすら暑い。

例によってエティハド航空のカウンターに向かう。

荷物の制限が12キログラムと書いてあるが、周りを見ると、とんでもなく大きなバッグを持っている人で溢れている。

ここは日本人の僕らとしては「これじゃダメなんじゃないか」と、特にA型の僕はソワソワと気になり始める。しかしO型の希花さんは、

気にしながらも「知らんふりして持って行っちゃったらいいよ。なんか言われたらそうですかって言えばいいし」と落ち着いたものである。

かくしておそるおそる荷物を預ける手続きをしたが、それに関しては何もお咎めない。一体何のために書いてあるのだろう。

ま、そんなことはいいとして、友人からアイルランドはそろそろ長袖が必要です、と言ってきた。

その人は、今年のフィークルのパンフレットに僕らの名前を見つけました、と喜んで教えてくれたが、なんか毎年同じものを使い回しているんじゃないかな、

と僕らは思う。行かなくてもいいかもしれない、と思いつつ、セッションホストを受け持つ日本人の僕らは目立つから、そういうわけにもいかないかな。

機内食は僕がサーモンの照り焼き、希花さんは中東風チキンのベークしたもの。

なんやかや、暇な時間を過ごすが、この午後のフライトの方が、いつもの夜中くらいに出発するのより早く着くようだ。ということは、機長がやる気満々なのか、機体が新しいのか、風が強いのか、よく分からないけど、そんなことを考えている間にアブダビに着いた。

午前 4時10分(日本時間)午後11時10分(アブダビ時間)この時間でも35℃はゆうに超えている。そう言えばさっきまで45℃と聞いていた。

待ち時間に希花さんが「ラウンジで映画の(ライフ オブ パイ)みたいな顔した人がやっぱりカレー食べてる」と喜んでいた。僕らにもやっぱり寿司とかが似合うんだろうか…。

2017年 アイルランドの旅 2

8月1日(火)ダブリン。曇り。気温13℃。

ゴールウエイから「和カフェ」のオーナー、早川芳美さんが、預けてある僕の楽器をわざわざ持ってきてくれた。朝早かったのに本当に感謝です。

しばし再会のコーヒーで話が弾んでいると、キアラン君が来てくれた。

今回も彼のところにお世話になる予定だ。

全く変わらない景色を見ながらカーロウに向かう。時折雨がサーっと降り、左側は太陽がサンサンと輝き、右側は真っ黒な雲で覆われている、そんな空を見ながら。

キアラン君の家はヒーターがついていた。

今晩はニューヨークから来ているDana Lynに約15年振りに会うことになっている。

それも、偶然ここからすぐ近くの友人宅に彼女が滞在している、というのだ。

そして、それも今日、明日まででニューヨークに戻るという。なので、本当に偶然が重なってやっと会えるのだ。

電話すると、懐かしい声がした。早速、キルケニーでセッションがあるからそこで会おう、という話がまとまった。

滞在先は、以前ソーラスでアコーディオンを弾いていたMick McAuleyの家だ。それも偶然、キアラン君の家にも時々やってくる仲だったのだ。

セッションは彼がホストを務めるもので、彼の兄弟、Anthonyも来る、という。

かくして、午後8時、キルケニーに向かった。

パブに入るとすぐのところにDanaが立っていた。なんだか大きくなったみたいだ。僕が縮んだのかもしれない。

時の流れを感じたが、すぐセッションの始り。曲の間にむかしの話を色々したが、とても時間が足りないので明日も会おう、いう話になった。

そして、10時半頃解散したが、さすがアイルランド人のキアラン君、もう一軒寄って行こうと言うのでこちらも勢いで付いて行った。

場所はキアラン君の生まれ育った街のローカルなパブ。ここからなら多少飲んでも捕まる事はないし大丈夫だ、といって多少どころではないギネスを

あおって帰って来たのが1時ちょっとまわった頃。

さすがに眠くなって来たが、かえってこれくらいの方がバッタリと眠れて良かったのかもしれない。

8月2日(水)カーロウ、バグナルスタウンのキアラン宅。 曇り 気温10くらいか少し寒い。

朝、それでも7時に起きて外をみると小雨が降っているようだが、すぐにあがりそうだ。キアラン君の洗濯物が庭ではためいている。

多分、3日ほどあの状態が続いているのだろう。

アイルランド人の動物的勘というやつで大した雨はしばらく降らない、と予測しているのだと思う。

2時半頃DanaMickがワインとアップルパイを持ってやって来た。

彼女はずっとベジタリアンで通している。そういえば日本に来た時もいろんな所に食べに連れて行ってあげようと言っていた省ちゃんが困っていたのを

思い出した。

なので、キアラン君はベジタブル・カレーとチキンの焼いたものと別に2種類を用意してくれた。それと定番、ベイクドポテト。

話は限りなく続いて結局、最後のアップルパイが終わった頃には9時を少しまわっていた。

Danaは明日、朝7時にダブリン空港に行かなくてはならない、と言っていたが、ちゃんと起きられるだろうか。

日本に行く時、家に忘れてきたパスポートを取りに戻ったことを思い出した。

無事にニューヨークに帰れることを祈って、そして再会を願ってこの日は別れた。

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2017年 アイルランドの旅 3

8月3日(木)9時起床。少し薄日が差しているが、さっきまで小雨が降っていたようだ。1日目の行動のおかげで時差ボケを感じない。

やっぱり無理にでも起きていた方が良さそうだ。

隣の家のニワトリがやって来た。こっここっこ言いながらキアラン君の庭を歩き回っている。

昔は僕の家でもたくさんのニワトリを飼っていた。卵を生むからという理由だったのだろうか。あの鳥たちはどうしたんだろう。

近所のお店で唐揚げにでもなったんだろうか。

そんなことを思い出しながら、ポリッジをあげたら喜んで食べていた。1時間ほど昼寝。なんだかんだ言ってやっぱり体は疲れているようだ。

夜はフィドラーのDave Sheridanに会いにカーロウの街に出た。

キアラン君もたくさん飲みたいので電車に乗って行ったが、面白いことにお金を払わずに済んだ。詳しくはライブで。

セッションで盛り上がって、Daveの奥さん、Michelleが車で送ってくれて家に戻ったのが3時ころ。またワインを飲んで4時頃眠りについた。

8月4日 (金)晴れ。やっぱり15くらいだ。

朝、ポリッジを入れた入れ物をカンカンと鳴らしたら一目散にニワトリが駆けて来てがむしゃらに食べていた。こっここっこ言いながら。

そういえば去年、あらぬ時間によく「こけこっこ~」と聞こえていたが、こいつだろうか。声だけでは判断は難しい。

昼にこの近くに住むれいこさんが会いに来てくれた。カーロウに来たら必ず会うことになっている。彼女も忙しい人なので再会を祝して、近々また食事でも、

ということで今日は別れた。

夜はここ、バグナルス・タウンのローカルなパブLawlowでセッション。地元の人たちの集まりなのでスーパープレイヤーはいないが、みんなそれぞれに

いい味の歌を聴かせてくれる。

パブを出たのが2時。それもみんなと一緒に総勢6人ほどでタクシーに乗ってキアラン君の家に向かう。

フランスへ行った時に一緒だった若者たちもいる。

それからが大変。結局寝たのはほとんど朝の5時。ケリーじゃないんだからもう。

2017年 アイルランドの旅 4

8月5日(土)よく晴れて、気温は15℃くらいだろうか、少し暖かいような気がする。

8時頃に起きて昨夜の後片付け。キッチンにお皿からグラスからフライパンやら細かいものが山のようになっているので、いや、キッチンだけではない。

リビングのいたるところ、しかしよく飲む連中だ。彼らがお酒を飲める年齢から死ぬまでの酒の量って太平洋の水よりも多いんじゃないかな。

アホなことを言っていないでみんなが起きて来るまでにさっさと片付けたい。どうせ10時前に起きて来るやつは居ないだろうけど。

今日は今回の旅のメインイベントの一つがある。

キアラン君のお誕生日だ。

その40歳の誕生日を彼の友人二人がお祝いしてくれるらしい。それも素晴らしいレストランで。

僕たちも一緒に来てくれ、というので「いいのかな」と思いつつも付いて行った。

キアラン君も友人たち(ナイルとコルム)二人も口を揃えて、川の辺りにある山あいの素晴らしいレストランだと言う。

車で30分ほど、それも例によって細い田舎道を80キロくらいで他の車とすれ違いながらすっ飛ばす。やがて対向車や後続の車など一切見えなくなるような

場所へと進んでいく。

着いたところは小さなお城みたいな素晴らしいレストラン。駐車場にはそれでも10台以上の車が止まっている。

すぐ横を流れる川は水が澄んでいて、これをそのまま下っていけばダブリンに行くらしいが、今日はまず食事だ。

森に囲まれた素晴らしいレストラン。中は思ったより広い。そして多くの人で賑わっている。知らなければ絶対に来れないところだ。

しかし、思うに本来だったらガール・フレンドと誕生日を祝うような場所に男友達と来ている、というのがとても面白い。

こうして同性の友人たちと過ごすのが気楽で好きそうなキアラン君。やっぱりみんなも彼のことをいい奴だと心底思っているのだろう。

彼と一緒に過ごすのが好きみたいだ。

美味しいワインと、見た目も美しく美味しい食事と楽しい会話で2時間があっという間に過ぎていった。

8月だと少し日が短くなっているのだろうか。夜10時。森はすっかり闇に包まれている。

僕らも連れて行ってくれた彼ら3人に感謝だ。

そのあと飲みに行くというので先に帰ったが、午前2時頃、無事に帰宅したような音がなんとなく聞こえた。

キアラン君、お誕生日おめでとう。Happy Birthday!

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2017年 アイルランドの旅 5

8月6日(日)小雨。今日は寒々としていよいよ秋到来、という感じ。

日本は今頃35とか軽く超えていて暑いんだろうな。

まだみんな起きて来ないので、ひとりポリッジを楽しんでいる。お、キアラン君が起きたみたいだ。

今日は一日中こんな感じの雨がしとしと。時折あがるように見えるのだがやっぱりアイルランドだ。

キアラン君、少し雨が上がって来たみたいだし、軽く走って来るか、と言っていつものコースまで車で出かけて行ったが5分位で戻って来た。

すごい雨が降って来たからだ。

「100メートル走ったら雨が降って来た」と言ってずぶ濡れ状態でコーヒーと適当なサンドイッチをほうばった。

これからみんなでれいこさんのところへディナーに出かけることになっている。

僕らとしてはそろそろ醤油味が食べたくなって来た。それを予測してのサンドイッチだろうか。

れいこさんの家には、以前家をシェアしていた好青年のダラウも来ていた。犬と猫も。

トンカツや炊き込みご飯、味噌汁、その他、お箸が止まらないものばかり。

キアラン君もまだ途中なのに、数少ない日本語のボキャブラリーで「美味しかった」と言いながら食べていた。

とても忙しい中、たくさんのご馳走を作ってくれたれいこさんに、そして後片付けを黙々とやってくれたダラウに感謝。

一日中雨が降ったり止んだりの日曜日に楽しい思い出ができた。

8月7日(月)曇り。相変わらず寒い。

お、こけこっこが元気よく鳴いている。現在720分。なかなかいいタイミングだ。この緑に囲まれた景色とこけこっこはよく合っている。

思えば広島の日が過ぎ、長崎の日がやってくる。それなのにまだミサイルを飛ばしている奴がいるかと思えば、涼しい顔して「断じて許せない行為で厳重に抗議する」くらいのコメントで美味しいもの食べている奴もいる。

そういえば「違うだろう!この..」の議員、どこで美味しいもの食べていつまで隠れているんだろうか。

「空(くう)です」と言ってニッコリ笑い、それまでのことをうやむやにした人にはまだ給料が払われ、高い洋服を買って美味しいもの食べているんだろうか。

せっかくアイルランドに居るのだから取り敢えず考えても仕方のないことは考えない方がいいかもしれないが、腹はたつ。

ここに美味しいものは少ないし。

晴れてきた。絶好とは言えないかもしれないが洗濯のチャンスか

今日は近くの養老院でボランティアの演奏をすることになっている。

2時に現場に出向く。おじいさん、おばあさん達がそれぞれ得意の歌を披露してくれたり、僕らが演奏したりで1時間ほどが過ぎた。

終了後、お決まりの紅茶と焼きたてのカップケーキなどをいただいてしばし歓談。

と言ってもみんなかなりのお年寄りで言っていることはほとんど解らない。去年会ったマギーというおばあさんがいた。あの時もさっぱり解らなかったが、

無理もない。キアラン君でも解りづらいらしい。

今日はそんな感じで早く家に帰れるので、できるだけ飲まずに早く寝よう。

2017年 アイルランドの旅 6

8月8日(火)曇り。6時起床。

今日はKilkennyでブズーキやマンドリンの制作をしているPaddy Cleereに会いに行く。彼のマンドリンはアンディ・アーバインなど、著名な音楽家も使用しているとてもクオリティーの高い物だ。

7時半、キアラン君の目覚ましが激しく鳴っている。遠くからこけこっこも聞こえる。起きる気配はない。

7時40分、お、また目覚ましが鳴った。今度はガタガタと音がする。お、なんか落としたようだ。

11時、彼の工房。誰の工房へ行っても雑然とした中にも数々のこだわりを感じる。

主にマンドリンとブズーキを製作している彼はテナー・バンジョー奏者、ということだ。

その彼が作り出すマンドリンの音は、これがブルーグラスで使われるものとは全く異なるものだ。そのタッチから音の一つ一つの粒まで、

やっぱりアイリッシュ・チューンを弾くために作られたものだ。

そしてブズーキ。これが極上の音がする。スプルース・トップのものとシダー・トップのもの、2種類を弾かせてもらったが、これはどちらも凄い。

抜群の鳴りだ。これもアイルランドという土地だからかな。

いや、この音の立ち上がりは他に持って行ってもそれなりのものなんだろう。

もし、これから、もうちょっとブズーキを研究したいと思っていたなら喉から手が出るほどの物だ.

訊いてはいないが結構な値段がするだろう。

しかし、真剣にこの楽器に取り組もうと思っているとしたら、一度は手にしてみる価値がある。

IMG_7342 (1)Paddyが3人で演奏している動画を撮っていいか?というので今日はフィドルを持っていない希花さんはマンドリンを弾く。

かくして、キアラン君はいつもの自分のフルートじゃないしなぁ、と言いつつ、僕はキアラン君の所有するテイラーギター(これは絶品)を弾き、

希花さんは「いいのかなぁ」と言いながら1年に数回も弾かないマンドリンを弾く、という動画が完成してPaddyも喜んでくれた。

素晴らしい楽器を見せてもらった後は一路Kilkenny市内へ。

因みに彼の工房は市内から20分ほどのところにある。

今日は、もう一つのビッグイベント、この3ヶ月アイルランドにホーム・ステイしながら英語の勉強をして来た早野さんが、帰国直前に僕らに会うために、

エニスからわざわざやってくるという。

10何年もの間、夏休みを利用してのアイルランド探索を続けて来た早野さん。

持ち前のバイタリティで、こんな遠くまで、2時間ほどというほんの少しの時間、僕たちに会うために長い時間かけてやって来てくれた。

そしてそんな彼女をキアラン君が一杯ケアーしてくれた。

早野さんにも、キアラン君にも感謝です。

2017年 アイルランドの旅 7

8月 9日 (水)小雨。7時半起床。

冷たそうな風が吹いている。庭でキアラン君の洗濯物が昨日からはためいているので、後で晴れるのだろう。

明日から集中的にコーク、ケリー、クレアと回るので、しばし忙しくなる。ネット環境もよくないところばかりなので、

どういうことになるやら。もっとも、古い時代の音楽シーンにはそんなものは関係なかったのだが。

音楽、特にこの音楽(民族音楽全般といったほうが正しいだろう)では、極悪の環境の中でも歌い継がれてきたもの、演奏され続けてきたもの

の魂を感じることが最も大切なことかもしれない。

幼いスタンレー兄弟が眺めていた景色も、ブレンダン・ベグリーが眺めていた景色も、本で読んだり聞いた話だけではこの手の音楽には入っていけない。

音楽と生活との結びつきは特に語ることでもないような気がする。

今日は、去年ここにいた時にお世話になったジョン(バンジョー大好きおじさん)がバケーションから戻ってくるので、後でワイン片手にやってくるだろうか。

3時頃からカーロウの町に出かけるので、ご飯を炊いてオムレツを作り、持ってきたわさびふりかけと一緒に食べた。

今現在はとてもいい天気。気温は16くらいだろう。部屋の中をミツバチが飛んでいる。

急に庭仕事をすることになった。また芝刈りと垣根の葉っぱをカットする。広い庭も結構大変だ。こんなに涼しいのに汗びっしょりになった。

裏庭ではニワトリがこっここっこ言ってウロウロしている。なんか丸々と太ってきたようだ。

カーロウから帰ってきた。何を思ったか急にキッチンの掃除を始めたキアラン君。

希花さんが「ちゃんと食器用の布巾とそこらへん拭く布巾と分けているかな」と心配しているが、見なければ問題ない。

それくらいで病気にはならないだろう。日本にいたら気にするが、ここでは大体のことは仕方がない。

晩御飯はタイカレーと定番のワイン。そろそろ8時半だがまだ全然明るい。日本の4時くらいか。明日からの長旅の用意をしなければ。

家の中がタイレストランの匂いになっている。

8 10日 (木)晴。7時。朝からキラキラと輝く快晴だ。

今日は午前中に、キアラン君の知り合いの女性のギターレッスンをすることになっている。シンガーだというので、多分スタンダード・チューニング。

どちらにせよ、ギターはなかなか教えるのが難しい。定期的に段階を踏まえて、という感じならばそれなりにやり方があるのかもしれないが。

とにかく見てもらうしかない。

基本的なアルペジオやフィンガー・ピッキングと、ベースランのアイデア、コードワークのアイデアくらいで1時間くらいはすぐ過ぎてしまうだろう。

ましてや話好きのアイリッシュ。それだけで半分くらいの時間が過ぎそうだ。

お、アンドリューからメッセージが入った。彼も歳と共にあまり眠れなくなったか。いや、これから仕事に出かけるらしい。

土曜日の夜、僕と希花とTara&Dermey Diamondの4人でセッション・ホストをやることの確認を、出かける前にしたかったみたいだ。

3時過ぎに家を出たが、町でばったりDave Sheridanに会ったが最後、立ち話で30分ほどかかる。とことんアイリッシュだ。

6時45分頃、コークのCorner Houseに到着。お店のオーナーも顔見知りになったので快く迎えてくれる。

Mattが手ぐすね引いて待ってくれていた。そして、一人のパイパーを紹介してくれた。彼は僕のことをよく知っている、と言って、話を聞いてみると、

約17年くらい前になるだろうか。サン・フランシスコのプラウ・アンド・スターズでケヴィン・グラッケンと一緒にクワルテットで演奏した時の

パイパーだった。名前はEoin Oriabhaigh(難しい名前だ)フルートはConal Ograda、色々と謎だった人脈が繋がって来た。

この日は8時までのセッションなので、キアラン君はそれからカーロウに戻って行った。長い旅路をありがとう。

Mattの家で奥さんのLizが用意してくれた絶品料理とワインでしばし歓談。12時頃に就寝。

2017年 アイルランドの旅 8

8 11日(金)晴 8時頃起きて外を見ると、どんよりとしているが雨は降りそうにない。

目一杯のおもてなし朝食をいただいた後、Eoinのパイプ工房を見学。京都でいうなら平安神宮くらいの土地の広さがある緑に囲まれた家の中にある

工房は、もう町工場並み、弦楽器の工房とは全然違うものだ。

10匹ほどの羊が餌をもらいにやって来た。人懐っこい犬もいる。定番のコーヒーとビスケットをいただいてしばし昔話を含め、いろんな話に興じて家に戻り、

いよいよCastle Islandに向かう。

途中、Sliabh Luachraの音楽の聖地見学に連れて行ってくれた。

音楽しか娯楽がなかった時代の、それも人里離れたこの環境の中で生まれ、人々に伝承されて来たものをじっくりと見せてもらったわけだ。

これを見てしまったら、やれバンドだ、やれライブだなんて軽く言えるものではない。もっとも、アイルランドにはそういう所がいっぱいあるし、

Mattのように伝統をしっかり受け継ぐ人も沢山いるはずだ。

Castle IslandではJackie Dalyが待っていた。彼とは今回が初めてだ。

今晩はShoe Makerというパブでセッションがある。考えたらここはもうKerry、地元の人たちも参加してのセッションはやっぱりポルカやスライドが

多く出る。まだ小学生くらいの女の子が絶妙なコンサーティナとティンホイッスルを聴かせてくれた。

パブに飾る絵の除幕式の後に再び始まったセッションは2時まで続き、ジャッキーはすっかり寝てしまっている。みんなが楽器をしまいかけると、急に

起きてまた弾き始める。中でも、彼の作曲したFly Fishingという曲は圧巻だった。僕らがよく知っているとは思わなかったのだろう。

この曲を聴いたのは、クレアからのたった一つのレコーディングだった。あまり知られていないが名曲だ。

ついでにアルバムEaves DropperからBlackbirdも,Buttons and BowsからBluemont Waltzも一緒に演奏してもらった。

やり出したら止まらないが、そろそろ2時半も回る。

今日はMattの友人の家に泊まる。この辺の大きな音楽イベントを手がけている人だ。

またまたワインでしばし歓談。結局3時半頃就寝。朝方、起きてトイレに行くと、リビングのソファーでJackieが座ったまま寝ている。

電気も点いたままだったので、そろそろ明るくなっていたし、そっとスイッチを切っておいた。

2017年 アイルランドの旅 9

8 12日(土)小雨から曇り。後、快晴。9時起床。

それぞれが起きて来て10時頃から朝食を食べながらしばし歓談。庭をウサギが駆け抜けて行った。

僕らは今日、何年か前に知り合ったアンガスという男にピックアップしてもらってフィークルに行く。彼は音楽家ではなく、様々なフェスティバルの間

飲んで歩いて音楽を聴いて回るのが好きなのだ。因みにローリーという兄貴がいるが、彼とはフィークルで待ち合わせているという。

アンガスとの待ち合わせは2時半頃。

朝食の後、時間があったので、Jackieがまたアコーディオンを弾き始める。Mattもフィドルを出す。ちょっとの間セッション。
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こういう時間がとても貴重だ。

アンガスはきちんと連絡をくれる。少し遅くなるというので、待ち合わせ場所のホテルのロビー、というか素晴らしいスペースでコーヒーを飲みながらゆっくりする。

3時過ぎに彼が来てくれた。なんだかんだ言って毎年顔だけは合わせているが、なかなかゆっくり話もできない。

クレアまでは2時間半ほどなので話はいっぱいできた。途中、リムリックで彼らの母親が入院している病院に寄り、またクレアに向かう。

景色は段々クレアそのものになって来た。

僕らはアンドリューの家の前で降ろしてもらい、フィークルで会う約束をして別れた。

しばしアンドリューの家で休み、彼と一緒にガタガタ道をフィークルに向かう。

夜はTara&Dermy DiamondそれにGerry Harington Charlie Piggotも来て、12時まで演奏。

さて、アンドリューの家までどうやって帰るか考えていると、目の前に今まさに出発、という女の人がいた。相手が女の人なので希花に声をかけてもらった。

そしたらEnnisまで戻るからいいよ、と言ってくれる。

道中、色々話を聞くとNorth Carolinaから引っ越して来たばかりだという。さらに話をしていると、何とJodys HeavenCDを、いつ、どこで手に入れたか

覚えてないけど持っている、というのでお互いびっくり。

彼女のおかげで無事アンドリューの家に到着。2時半頃就寝。

813日(日)曇り。ひたすら寒い。8時55分に目が覚めた。よく寝たようだ。

しばし散歩。

フィークルでは、僕らが到着する前の日はずっと雨だったらしい。

お昼を近くのチャイニーズレストランで済ませ、一路フィークルへ。

まず、3時からBohansというパブでセッションホスト。全く知らないのに弾いている困ったちゃんが2人いたが、先日初めて会ったデイブ・シェリダンの

奥さん、ミッシェルも参加してくれてアンドリューも大爆発。

困ったちゃんは有名らしく、どうしようもないのでマイペースで進めていく。3時間ほどで終わって、ペパーズに移動。

ここで9時過ぎからピート・クイン、カレン・ライアン、アンドリューの面子に混じって演奏する。

例によって自分の好きな相手で自分を取り囲むようにセッティングするアンドリュー。この時が一番シリアスで嬉しそうだ。

アイリーン・オブライエンやジェリー・ハリントンも来て、大盛り上がり。そこにデイブとミッシェルも来て更に大盛り上がり。

ピートはキーボードだが、僕とコード感覚が良く似ていて、彼も僕の出す音に頷きながら嬉しそうに弾いてくれる。2人で「そう、これでなくちゃ」

とにんまりするシーンがいっぱいある。

帰りはミッシェルの車でTullaまで。時刻はもう3時を回りかけている。就寝は4時近くになって、いや、4時回っていたかもしれない。

頭の中を沢山のチューンが駆け抜けている。